2021 Fiscal Year Annual Research Report
システム自律神経制御による、がんと高血圧の神経医療の開発
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20H00666
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
神谷 厚範 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30324370)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自律神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
自律神経系は、健康時には、生体情報の変化に応じて全身の臓器を個別に調節する役割を担い、生体恒常性や生命の維持機構の要のひとつである。体内の各種生体情報を各臓器に配置された生体センサーで感知し、生体情報を中枢に送り情報処理の後、各臓器の機能を調節する命令信号を自律神経活動(交感神経活動や副交感神経活動)として臓器別に送り、臓器機能を調節する。その結果、生体情報が変化するので、その生体情報を再度感知して、自律神経活動を更新するような、フィードバック機構として動作する。ところが、この自律神経系は、病態ではむしろ不合理に働き、病勢を加速するなど、難病の病態に深く関わる可能性がある。本年度は、昨年度までの研究に引き続いて、以下の研究を行った。まず、乳がん等と高血圧等を主な対象とし、神経系が疾患とどのように関わっているかを検討した。がん組織や循環器系臓器(腎臓)等に、自律神経線維が分布するかどうか、また、どのように分布するかを、免疫染色等の方法によって、調べた。その結果、曖昧に捉えられることの多い自律神経を、組織の内部において走行し分布する実際の様子をイメージングし、明瞭に観察した。また、遺伝子工学や薬剤等を使って、神経系に介入する方法や技術を検討した。さらに、細胞実験等も用いて、神経系への介入(刺激、抑制等)を行い、疾患モデルの変化を調べた。そして、神経機能を制御して疾患を治療する、システム自律神経制御医療を試作する可能性についても、検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、昨年度までの研究に引き続いて、以下の研究を行った。乳がんは、女性の生涯罹患率はどんどん増加しており、特に高ステージ例では、治療が不十分であり、従来とは異なる視点からの新しい治療が必要とされている。乳がん等において、神経系が疾患とどのように関わっているか、たとえば、自律神経系は、病態ではむしろ不合理に働き、病勢を加速するなど、難病の病態に深く関わる可能性について、検討した。動物実験等で、がん組織に神経が分布する可能性について調べた。また、細胞実験等で、神経系の分子ががん細胞に影響を及ぼす可能性について調べた。また、神経系を操作し得る遺伝子工学技術や薬剤について、検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
脳研究では神経系への遺伝子導入の方法について多くの研究があるが、一方、末梢神経系への遺伝子導入の方法については、脳研究よりも研究が遅れている。このため、末梢神経系への遺伝子導入の方法についてさらに検討し、また導入した遺伝子の発現や機能などを検証することも行いながら、研究を進める。また、神経系への介入方法については、遺伝子導入による介入だけでなく、薬剤による介入についても検討する。
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Research Products
(2 results)