2020 Fiscal Year Annual Research Report
メタ認知トレーニング介入による統合失調症患者の自己効力感及び認知機能への影響
Project/Area Number |
20H00705
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Research Institution | 医療法人新淡路病院 |
Principal Investigator |
黒田 香苗 医療法人新淡路病院, 公認心理師/臨床心理士
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 統合失調症 / メタ認知トレーニング / 自己効力感 |
Outline of Annual Research Achievements |
精神障害者、特に統合失調症患者の社会復帰を妨げる要因として自己評価が低く、生活に対する自信を欠くことが多い。この地域生活に対する自信不足は自己効力感と強く関わり、自己効力感が高い精神障害者は、他者との交流や会話がなされ、少し難しいと思われる行動に関しても肯定的なイメージが持ちやすいため、社会復帰につながりやすいと考えられている。 統合失調症患者の認知バイアスに着目した、ハンブルク大学モリッツ教授らによって開発されたメタ認知トレーニング(Metacognitive Training:MCT)を基に、石垣らによって開発されたMCT日本版(MCT-J)の介入による、陽性症状や認知機能の改善、加えてこれまで検証が少なかった自己効力感への効果を検討した。 研究当初は精神科病院デイケア通所中の統合失調症患者に対してメタ認知トレーニング(MCT)を行い、未だ明らかとなっていない自己効力感及び認知機能への影響を検討することを目的としたが、広く参加者を募るため、対象を地域在住の統合失調症患者を対象とした。 1クール10セッションの集団MCTを実施し、参加者へ、介入前、終了時、終了1年後の計3回の調査を実施した。調査項目は、陽性陰性症状評価尺度(PANSS)の陽性尺度の得点、自己効力感、ベック認知的病識尺度、TMT‐Jである。19名のデータを得ており、調査項目において有意な変化が見られた。現在は最終的な解析を行っている。
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