2020 Fiscal Year Annual Research Report
海洋教育の推進-手に取れるプランクトン標本と映像を併用した学校教材の開発
Project/Area Number |
20H00747
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
櫻井 久惠 国立極地研究所, その他部局等, 学術支援技術補佐員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 海洋教育教材 / プランクトン標本 / 生体映像 |
Outline of Annual Research Achievements |
①樹脂封入標本作成技術向上、増産のための改良:2種の樹脂で封入を試み、プランクトンに適した置換液に対する適性はポリエステル樹脂がアクリル樹脂より高かった。研磨方法はバレル研磨を試み、手研磨より品質は劣るが時間と経費を削減できた。 ②メディア教材製作:海洋観測の現場動画1点、生きた生物の静止画8点、動画5点。 ③標本観察補助具の検討と教員用標本観察マニュアル試作:LEDリングライト照明を製作し、3.5倍スタンドルーペと併用した観察方法を開発した。教員用標本観察マニュアルを試作し、教材検討会で使用した。 ④「教材検討会」の実施:東京都多摩地域の4市、12校、中学校理科教員20人に対して行った。内容は映像鑑賞、標本観察、聞き取り、アンケート。なお、小学校教育研究会で予定した会はCOVID-19による緊急事態宣言発出で中止となった。 ⑤教育現場ニーズの分析(未発表データ):中学校理科教員20名の回収アンケートから教育現場ニーズの分析を実施した。(1)樹脂封入標本は学校教材として使える(95%)、映像は生物への認知を深化させると好評価、観察マニュアルは生物名を日本語で表記の要望があった。(2)以下の理科単元のニーズが高かった。1年の無脊椎動物(80%)、動物の分類(75%)、3年の食べる・食べられるの関係(50%)、生物どうしのつり合い(55%)。(3)学校が保有する観察機材は、生物顕微鏡は20から40台、実体顕微鏡や解剖顕微鏡は数台から10台程度だった。(4)貸出手続きの迅速さ、無料貸し出しを望む等の意見があった。(5)教員が望む授業スタイルは「出前授業」が75%を占めた。理由として研究者視点の話が聞きたい、教員が海洋や海洋生物の知識が不足しているなどが挙げられた。通常授業で使うには、授業案があることを望むとの意見があった。これらの調査結果を得たことは意義があり、今後の教材化の参考となる。
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