2020 Fiscal Year Annual Research Report
古典教育における読解リテラシー向上の統合的研究―文学研究と教育心理学を柱として―
Project/Area Number |
20H00792
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 直志 名古屋大学, 教育学部附属学校, 国立中学校・高等学校教諭
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 和本リテラシー / 協同的探究学習 / 古典教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 自身の考えを他者に伝えることや、古典学習の意義を伝えることの必要性などが、昨今の国語科教育において求められている。研究代表者は、大学教員とも協力しながら、論理的に考え、表現力を高めるための指導や、くずし字や和本を用いた古典教育において、実践的研究を続けてきた。これらを継続、蓄積することで、単年度の研究では明らかになりにくい、中学・高校6年間を見通した系統的な学びのあり方を探ることが、本研究の目的であった。 ○研究方法 本研究では、前述した目的を達成するために、藤村宣之氏(東京大学大学院教育学研究科教授、本研究の研究協力者)の提唱する「協同的探究学習」を国語科の授業に随時取り入れることを試みた。新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、生徒同士の話し合いはかなり限定的なものにならざるをえなかったが、可能な方法を模索した。また、加藤弓枝氏(鶴見大学文学部教授、本研究の研究協力者)、三宅宏幸氏(愛知県立大学日本文化学部准教授、本研究の研究協力者)を講師として、和本リテラシー向上のための出前授業を、オンラインという新しい方法を使って実践した(2021年3月15日)。 ○研究成果 休校措置の解除以降、研究代表者が担当した中学2年生の国語や高校1年生の国語総合やSS課題研究(学校設定科目)において、授業実践や教材開発を継続的に行った。コロナウイルスの影響による限界もあったが、オンラインによる授業などにも挑戦した。とりわけ、江戸時代の版本を用いた古典教材を高校生向けに開発し、実際に授業で使用した。さらに、中学生対象の同種の授業との比較検討を行った。これら一連の研究については、第1回古典教材の未来を切り開く!研究会(2020年9月13日・オンライン)、同志社大学古典教材開発研究センター設立記念研究集会(2021年3月28日・オンライン)で報告した。今後、本校紀要などでも公表していく予定である。
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