2020 Fiscal Year Annual Research Report
科学的リテラシー育成を重視した,防災教育を取り入れた理科教材及びプログラムの開発
Project/Area Number |
20H00817
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Research Institution | 埼玉県川越市立大東東小学校 |
Principal Investigator |
佐藤 真太郎 埼玉県川越市立大東東小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 科学的リテラシー / 防災教育 / 理科教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
学習指導要領の「自然災害」取り扱いの変遷,平成元年以降の教育行政の動向や防災に関わる学習指導要領の変遷,ESD,SDGsと防災教育の関りなど,防災教育をめぐる国際的な動向などについて文献調査を行い,国内における自然災害の防災教育の現状と課題を明らかにした.また,理科教育における自然災害に関連した資質・能力を整理するために,「科学的リテラシー」が中心となり分析が進められたPISA2006及びPISA2015の問題と国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の問題から「自然災害」に関連のある問題を抽出し,分析した.その結果,「科学的リテラシー」育成の意図を持つ「自然災害に対する防災」に必要な資質・能力は「安全に関する資質・能力」の「思考力・判断力・表現力」を育成することに繋がることが理解された.さらに,先述した研究成果を踏まえて「安全に関する資質・能力」の「思考力・判断力・表現力」育成のねらいに即した授業を構想した.具体的には大雨による災害を想定して開発した教材を小学校第5学年「B(3)流れる水の働きと土地の変化」で実施し,その教育効果を検討した.その結果,教材を活用した話し合い活動によって,子どもたちは,授業で習得した自然災害に関連する「知識・技能」を基に,自分たちの安全の状況について適切に評価したり,自らの行動を選択するために必要な情報を整理・確認したりできることが理解できた.また,行動選択のための適切な合意形成には,知識を基にした状況判断や話し合いが不可欠であるなどの示唆を得ることができた. 本研究により,児童・生徒が,災害種に応じた,その時の状況を踏まえ,授業で学習した自然災害に関連した知識・技能を根拠にして,災害時の自らの行動を選択し,意思決定することができる資質・能力を育成する教育の方向性が示された.
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Research Products
(4 results)