2020 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害生徒と健常生徒がともに学べる音声案内付き立体触教材の開発
Project/Area Number |
20H00834
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Research Institution | 愛知県立名古屋盲学校 |
Principal Investigator |
細川 陽一 愛知県立名古屋盲学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 視覚障害 / 3Dプリンタ / 立体地図 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.目的 3Dプリンタや切削加工により立体模型を出力し、視覚障害生徒は触って、健常生徒は見るだけでなく触っても学習できる立体地図を作成する。また地図をスマートフォンに近づけることで、面積などの情報を素早く音声で取得できるアプリの作成を検討する。 2.方法 名古屋区別地図は新潟大学渡辺研究室と協力してデータ作成、3Dプリンタ印刷した。日本県別平均標高地図は名古屋工業大学ものづくりテクノセンターと協力して、国土地理院が公開しているデータを加工した。各模型の裏面に磁石を取り付け、弱視用地図と通常地図に磁石で正確な位置に吸着するよう作成した。さらに各模型にICタグを添付し、スマートフォンの読み取り機能により、「ものタグ」(コネクトドット社)を用いて、どの模型かを判別するようにした。同アプリに読み上げ指定、一括登録機能などを実装できるよう開発会社と調整した。 3.成果 名古屋区別地図は16個、日本県別平均標高地図は60個の模型が作成できた。これらが通常掲示用地図に着脱可能であるため、視覚障害生徒は手に取って県や区の形状、位置を把握することが可能となった。健常生徒も通常地図を見て確認するだけでなく、触ることで大きさなどが実感できるものとなった。また、視覚障害生徒には地図からの読み取りが難しい情報をスマートフォンを近づけることで、面積や標高、それに人口などを読み上げすることが可能となった。スマートフォンを使用しているため、生徒が興味を持った地図の内容を、スムーズに調べ学習に移行することも期待できる。コロナ禍により対面による評価が難しいため、成果の共有をオンラインで実施した。オンラインシンポジウム「特別支援教育と3Dプリンタ」を渡辺研究室と3月に実施し、視覚障害当事者、教育関係者を含めて29件の参加があり、立体教材の情報を共有できた。
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