2020 Fiscal Year Annual Research Report
通常の学級の一斉指導の中で発達障害児がともに学べる5年生新出漢字の指導方法
Project/Area Number |
20H00838
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Research Institution | 飯塚市立飯塚小学校 |
Principal Investigator |
杉本 陽子 飯塚市立飯塚小学校, 小学校教諭
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 特別支援教育 / 漢字教材 / 通常の学級 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究目的 一斉指導の中で個々の困難に応じた支援が可能となる新出漢字の指導方法を研究する 2.研究方法 新出漢字の指導を効果的に進める指導方法と支援教具を開発し、これらを活用して協力学級や通級で実践を行った。対象児童の学習の様子や漢字の定着度などの効果を明らかにして指導方法や支援教具の有効性を検討した。 3.研究成果 指導方法として、読みの先行学習を行うこと、熟語の読み・意味・使い方に慣れさせる、個々の実態に応じた漢字ノートの使用、体感させながら字形を確認する活動、漢字への抵抗感や負担感を和らげる漢字練習やテストを考えた。支援教具は『イラスト付き漢字カード』『運筆の方向体感ボード』『漢字と意味のマッチングカード』『達成感を味わえる漢字テスト』等を開発した。その結果、覚えることが難しかった児童は、イラスト付き漢字カードを活用したゲームで漢字を見て聞いて声にだして読むうちに、読みが確かになっていった。熟語の意味の理解が厳しかった児童は、漢字と意味のマッチングゲーム等を通して、読みや意味理解が確実になっていった。また書字に抵抗があった児童が、マスの大きさ、色、十字リーダーの有無などに目を向けたノートの選定をすることで、漢字練習に意欲的に取り組むようになった。学習後の児童の感想には、「漢字練習をがんばったらいい点数が取れるようになった」「漢字カードを使っていたら、嫌いな漢字が好きになってきた」「漢字に絵がついているので覚えやすかった」などが書かれていた。教師からは、「子どもに合わせて教材の使い分けができたのが良かった」「画一的な漢字指導から、実態に応じた指導方法に切り替えられた」「個々の学び方に配慮した支援の方法について考えた」などの感想があった。これらのことからも本研究は対象児童のみならず、全ての児童の学びやすさを支え、担任の授業支援も可能し、指導方法、支援教具は有効であったと考える。
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