2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H00851
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Research Institution | 宇都宮市立今泉小学校 |
Principal Investigator |
永嶌 政宏 宇都宮市立今泉小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 説明活動 / 概念地図 / 象限地図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,説明活動における相手の説明の直感的な把握や説明の異同の理解を支援するために,概念地図の構成を工夫し,その効果を検証した。永嶌・久保田(2020)(以下,前実践)は,小学校5年生を対象とし,ワークシートに象限を設定し,まとまりの配置を同一にすることで,ペアの異同を把握しやすくした。これにより,新しい知識を取り込み,相互に関連付けやすくなった。さらに,地図の説明に終始せず,関連する学習を振り返り,地図にない情報も活発に発話していたことが推測された。本研究は,学習内容をより鮮明に振り返らせるため,小単元終了ごとに概念地図を作成させ,単元終了時にこれらを貼り合わせることで,象限地図を作成し説明活動を行った。 研究の方法は,リンク付きのノード数(以下,ノード数)を指標として,説明活動前後の相互に関連付けられた知識の量を,前実践と比較した。 分析の結果,説明活動後にノード数は増やしたが,前実践以上の効果は得られなかった。両実践の地図の差は,本実践は象限地図内に同じ語句のノードが複数存在することである。同一ノードが複数あることで,ノードやリンクが必要以上に多くなり,視覚的に捉えにくい地図となったと考える。次年度は,ノードの整理や活動のポートフォリオを容易にするため,一人一台端末を活用したデジタル概念地図など,学習内容をより簡単に整理できる方法を検討する。 今回の実践は,小学校4年生を対象とした。学年や単元が変わっても説明活動は成り立つとともに効果があることが明らかになった。説明することは,小学生にとって負荷が高いと考えていたが,中学年でも効果がある。
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