2020 Fiscal Year Annual Research Report
熱中症に関する安全教育の教材としての暑熱環境測定・警告システムの開発
Project/Area Number |
20H00869
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Research Institution | Tokuyama College of Technology |
Principal Investigator |
安立 隆陽 徳山工業高等専門学校, 教育研究支援センター, 技術職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 熱中症 / 安全教育 / 高専教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の実施にあたり,まず,気温と湿度を測定しWBGT値を推定する作業を省力化して継続的に行うために,これらを自動的に測定し記録する装置を製作した。これを実習工場内に設置し,年間を通じて温度・湿度・WBGT値を記録できる体制を整えた。また,安全教育は本校機械電気工学科1年生の工場での実習において実施した。気温と湿度が高い夏季の工場における作業体験と対策についての座学を行う予定だったが,新型コロナウイルス感染症の影響により登校制限・授業変更が行われたため10月から12月にかけて夏季の測定データを用いて安全教育を実施した。安全教育の実施前後において熱中症に関する知識の調査を行い,熱中症の原因や対処方法,実習の作業の中でリスクが高いと思う作業内容を回答してもらった。 事前調査では,熱中症について聞いたことがある学生が9割以上,小学校または中学校で習った学生が7割という結果であった。熱中症リスクの指標となるWBGT値については8割以上の学生が聞いたことがないという回答であった。また,熱中症の原因として気温や直射日光に言及した学生が多いこと,かつ,部活やスポーツクラブで教わったという回答が多くみられたこと,そして,服装についての言及が無かったことから,スポーツや運動する場合の熱中症について学んだ学生が多いと思われる。 そこで,安全教育ではWBGT値が熱中症リスクの指標となること,室内かつ作業服や保護具を重ね着するという特性から直射日光の影響は少ないが湿度と服装の影響があることを重視して座学を行った。最後に,安全教育の実施後1か月から3か月経過後に行った事後調査では,湿度の影響に言及した学生が増加し,服装については作業服や保護具の重ね着について言及した学生が半分以上となった。これらの結果については,全国の高専・大学の技術職員が参加する総合技術研究会において発表を行った。
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