2020 Fiscal Year Annual Research Report
3自由度球面機構を用いた多自由度アクチュエータの開発と試作
Project/Area Number |
20H00911
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
福丸 浩史 九州工業大学, 飯塚キャンパス技術部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 3自由度球面機構 / 多自由度アクチュエータ / パラレルリンク機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
主に産業用ロボットに利用されるシリアルリンク機構は、サーボモータを直列に繋ぐ機構であり剛性や手先の位置決め精度が問題となる。一方、エンドプレートを複数のアームで支えるパラレルリンク機構は、作業領域に制限はあるが、高剛性、高精度が期待できる。本研究では、パラレルリンク機構の一つ、3自由度球面機構をロボットの関節など多自由度アクチュエータに適用するため、その運動学計算を提案し、これを試作する。 対象の機構は、ベースに配置したサーボモータからエンドプレートまでを2つのリンクとエンドプレートに固定したリンクからなるアームを3本以上で繋げた構造である。サーボモータ及びリンクとリンクを繋ぐ関節の回転軸はベース上の1点で交わり、これを中心としてエンドプレートが折れ、旋回、回転の3自由度の運動する。 本研究では、エンドプレートの姿勢を与えた時のサーボモータの角度の逆運動学計算について提案し、CAD上でその妥当性を確認し、アームが1直線になった時に特異姿勢となることを確認した。この情報を基に機構のアーム数と配置について①3本のアームをベースに等角度配置②3本のアームをベースに90°配置③4本のアームをベースに等角度配置した実機を試作し、動作可能なことを確認した。定量的な測定はしていないが、モデル③は、モデル①②よりも剛性が高くなった。しかし、4本のアームの場合、サーボモータの同期が必要であり、エンドプレートの動きが1°以下となるように逐次、サーボモータに指令を与え、動作させた。モデル②は、モデル①よりも動作が不安定となる領域もあったが、動作自体は可能であった。以上より、アームを等角度配置しなくても実機は動作することを確認した。本機構を多自由度アクチュエータとして利用する場合、アームの数を増やせば、その同期が必要となり、アームは等角度配置である必要はないことを実機を試作して確認した。
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