2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H00933
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高橋 洋平 群馬大学, 理工学部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 水力発電 / 磁気ベアリング / 有限要素法磁場解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 本研究では,一般家庭用水道向けの超小型水力発電システムの開発を目的とする。一般家庭に水を分配する際,蛇口における水圧を適切に調整するために減圧弁が設けられている。そこで捨てられる圧力エネルギーを発電に利用することで回収し,水圧を調整しつつ発電可能なシステムを開発する。対象を低圧な水流に絞ることで装置を小型・安価に試作することが可能で,また商用を目的とした大規模な研究と差別化する狙いがある。 【研究方法】 本研究では,前述した目的を達成するために,超小型水力発電機の開発を行う。家庭用水道設備などの低圧な水流から効率的にエネルギーを回収するため,発電機の軸受に磁気ベアリングを用いる。これにより水車の回転損失を低減し,発電効率を向上させる。2019年度に奨励研究(19H00256)の補助を受け,3次元CADと有限要素法磁場解析を用いて実験装置の設計・製作を行った。試作装置は一般的な蛇口配管の先端に取り付けることを想定し,形状や寸法の設計を行った。また水車(インペラ)形状は小型化のため軸流水車とし,軸受の構成は,制御の容易性や低消費電力化のため,径方向支持は永久磁石を用いたパッシブな磁気ベアリングを,軸方向支持はピボットベアリングを採用した。 【研究成果】 試作した小型水力発電機の動作確認を行った。まずは流水ではなく機械的に回転力をロータに与えて発電能力を調べた。実験の結果,回転数に比例した発電出力が得られることを確認した。また,ステータバックヨークの有無による出力の変化についても磁場解析と同等の結果が得られた。次に流水を用いた発電実験を行ったが,想定していた以上にロータの摺動部に発生する摩擦力が大きく,満足のいく回転動作を行うことができなかった。今後はこの部分を改善し,小型で高効率な水力発電機を完成させたい。
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