2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H00945
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
関 啓亮 信州大学, 工学部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | モデルロケット / 重心 / 搭載物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において力学的な設計を考慮した各条件のモデルロケットを設計・製作し,実験を行った。実験場所としては県内の千曲市の河川敷沿いを借用し、火薬に関する手続きを実施したうえで行った。 実験では、モデルロケットの重心を全長の6割を基準(故糸川英夫の論文情報)にして設計を行い慣性モーメントになるべく差が生まれないように留意して設計を行った。 その結果、ロケット機体の重心位置が6割よりも前方(ノーズコーン側)に近いと不安定性が強く、発射台から出るときの速度が十分出ていないと不安定なまま飛行し、上昇よりも横方向成分の影響(横風の影響)に非常に敏感になる機体特性を持つことが分かった。また、横風の影響を受けやすく、横風に煽られて軌道がそれていく現象がはっきり表れることも分かった。一方、重心をノーズコーンから6割よりも後方に配置すると横風に煽られて軌道がそれていく現象は少なくなったが、飛行中に進行方向に対し左右に大きく機種を振りながら(飛行中の進行方向に対する断面積を増やしながら)飛行することが分かった。進行方向に対し、断面積を変化させながら飛行するので空気抵抗が増し、到達高度の低下や最大速度が遅くなるといった飛行性能の低下に直結することが分かった。 なお、ロケット機体の重心を全長の6割で飛行させると、これらの現象がおおよそ最小限に留まることも分かった。 よって、重心に関する位置情報は設計時に考慮する発射台離脱速度を達成するために最低限必要な設計値であるといえる。6割に重心位置が来るように設計することは搭載物のあるような輸送用モデルロケットの場合、容易ではなく、搭載物を重心付近に配置することで慣性モーメントの変化にも着目しながら6割を維持して設計していくことが重要であるといえる。本成果をもとに今後、輸送用モデルロケットについても設計検討を進めていく。
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