2020 Fiscal Year Annual Research Report
抗てんかん薬レベチラセタムによる横紋筋融解症発現素因の探究
Project/Area Number |
20H01028
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 友紀 京都大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | レベチラセタム / 横紋筋融解症 / 有害事象 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】 抗てんかん薬レベチラセタムは忍容性の高い薬剤とされている。しかし近年レベチラセタム投与が契機と疑われる横紋筋融解症(クレアチニンキナーゼ(CK)値上昇)の報告がされている。レベチラセタムが横紋筋融解症誘発の要因となるかどうかについては未だ議論の余地があり、さらなる研究が必要であると考えた。 【研究計画と実施状況】 CK値上昇例の実態調査:2019年1月1日から2019年12月31日の期間内に京都大学医学部附属病院においてレベチラセタムの血中濃度測定が行われた416名を対象患者とした。対象患者のうち29名にCTCAEv5.0 Grade2以上のCK値上昇がみられ、18名でレベチラセタム投与との関連を確認した。そのうち13名の患者でてんかん発作または痙攣がCK値上昇に関与している可能性が、5名の患者でそれ以外の要因がCK値上昇に関与している可能性が後方視的に確認された。さらにCTCAEv5.0 Grade2以上のCK値上昇がみられた29例について、naronjo有害事象因果関係判定スケールを用いて有害反応の評価を行った。合計得点の平均値より、薬剤による副作用の可能性は低いと判定された。CK値上昇の要因となるものは薬剤以外にてんかん発作、激しい運動、腎機能の悪化など様々である。よってCK値上昇例での共通因子の有無について、さらなる調査が必要と考える。
レベチラセタム未変化体の体内動態に関する検討:同期間内にレベチラセタムの血中濃度測定が行われた患者を対象とし、レベチラセタム血中濃度とCK値変動との相関を調査した。CK値上昇がみられた患者群とみられなかった患者群でレベチラセタム血中濃度に有意な差がみられるか、比較検討を行った。結果、両群間での有意な差はないがCK値上昇群で血中濃度が高い傾向がみられたと考える。
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Research Products
(1 results)