2020 Fiscal Year Final Research Report
移植腎組織中のCYP3A5遺伝子多型と腎組織中タクロリムス濃度との関連性の解明
Project/Area Number |
20H01034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
SHIGEMATSU TOMOHIRO 九州大学, 大学病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 腎移植 / タクロリムス / 遺伝子多型 / 薬物濃度 |
Outline of Final Research Achievements |
本研究では、腎移植患者の拒絶反応抑制薬であるタクロリムスの血中および腎組織中濃度の関係性、CYP3A5遺伝子多型がタクロリムス濃度に与える影響について検討を行った。 その結果、血中および腎組織中タクロリムス濃度間には正の相関関係が認められ、移植腎組織中濃度は血中濃度の影響を受けていることが明らかとなった。 一方で、移植腎に発現するCYP3A5遺伝子型の違いによる血中および腎組織中タクロリムス濃度への影響は認められなかった。また、移植腎に発現するCYP3A5遺伝子型の違いによる腎移植後の拒絶反応の発生率にも差は認められなかった。
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Free Research Field |
臨床薬理学
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
本研究で得られた結果から、血中タクロリムス濃度が概ね腎組織中の薬物濃度を反映しており、腎移植患者で幅広く行われているタクロリムスの薬物血中濃度モニタリングの重要性が再確認された。また、移植腎に発現するCYP3A5遺伝子型は薬物濃度や移植後の拒絶反応の発生率に影響を与えないことが明らかとなった。 これら本研究で得られた新たな知見は、今後のタクロリムス研究を進め、腎移植成績をさらに向上させる上で重要な情報になると考えられる。
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