2020 Fiscal Year Annual Research Report
dCKの発現制御がセツキシマブ後天的耐性化大腸がん細胞に与える効果と治療戦略の検討
Project/Area Number |
20H01071
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 浩規 群馬大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | セツキシマブ / 後天的耐性化 / dCK |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに、網羅的なプロテオームアプローチによって、セツキシマブに対する後天的耐性獲得大腸がん細胞株において、 dCK(Deoxycytidine kinase)が過剰発現していることを報告している。dCK はデオキシリボヌクレオシドやデオキシリボヌクレオシドアナログのリン酸化に関与しており、dCK の過剰発現はシタラビンやゲムシタビンなどのヌクレオシドアナログの臨床効果の指標となることが報告されている。しかし、後天的耐性獲得大腸がん細胞に対するヌクレオシドアナログの有効性を検証した報告はない。そこで本研究では、後天的耐性化大腸がんの新たな治療法構築を目的に、dCK過剰発現の制御が大腸がん細胞のセツキシマブに対する後天的耐性化に与える効果、セツキシマブ耐性化大腸がん細胞株における dCK 過剰発現を利用した治療戦略の2点を検討することとした。 本研究においてまず我々は、siRNAを用いた後天的セツキシマブ耐性大腸がん細胞におけるdCKのノックダウンの条件検討を行った。ノックダウン後の細胞におけるdCKの発現状況については十分な検討を行う必要があり、現在は質量分析装置を用いた種々の条件によるノックダウン後の細胞におけるdCKの発現量の検討や、MTTアッセイを用いた後天的セツキシマブ耐性解除についての検討を行っている。加えて、shRNAを用いたノックアウトについても検討を行いながら、これらの検討が完了した後に、臨床応用を見据えた新たな治療戦略の検討を行っていく予定である。
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