2020 Fiscal Year Annual Research Report
mCIMを応用したカルバペネマーゼおよびESBL、AmpC型βラクタマーゼの同時検出法の開発
Project/Area Number |
20H01091
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩崎 澄央 北海道大学, 大学病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | mCIM / ESBL / AmpC |
Outline of Annual Research Achievements |
基質特異性拡張型βラクタマーゼ( ESBL)やAmpC型βラクタマーゼ(AmpC)、およびカルバペネマーゼ産生株の同時検出を目的として、modified Carbapenem inactivation method(mCIM)の原理を応用する新法(β-lactam inactivation method:BIM)の確立のために以下の検討を行った。 1.βラクタマーゼの新規検出法(BIM)の開発 ESBLおよびAmpCの産生性が確認された保存菌株25株を用いて、最適な薬剤含有ディスクの検討を行ったところ、インキュベート後の阻止円の縮小率から、ESBLの検出にはセフォタキシム(CTX)、AmpCの検出にはフロモキセフ(FMOX)がBIMに用いる薬剤含有ディスクとして最適であることを確認した。また、それぞれのカットオフ値を設定し、CTXで阻止円径が17mm以下、FMOXで16mm以下の場合にそれぞれESBL、AmpC陽性とした。 2.BIMによるESBLとAmpCの検出 CLSIにてESBLの検出について言及されている4菌種(E.coli、K.pneumoniae、K.oxytoca、P.mirabilis)計106株を対象にBIM法を実施し、ESBLではBIMによる検出はPCR法と陽性一致率が98.0%であり、感度90.9%、特異度98.0%だった。AmpCでは、PCR法と陽性一致率が88.5%であり、感度95.8%、特異度96.3%だった。 以上より、新法はESBLおよびAmpCの検出に十分な感度、特異度を有していることが明らかとなった。原法であるmCIMと同時に行うことにより、主要なβラクタマーゼの同時検出が可能である。また、本法は微生物検査において日常的に使用している薬剤含有ディスクを用いることで実施可能であり、小規模の検査室でも導入が容易であることが期待される。
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