2020 Fiscal Year Final Research Report
ヒトと野生動物の共生科学に基づく歯周病原性細菌の交差感染メカニズムの解明
Project/Area Number |
20H01119
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3230:Oral science and related fields
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
Sonoko Mitsui 日本歯科大学, 生命歯学部, 臨床講師
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 –
|
Keywords | 歯周病原性細 / 交差感染 / ヒト / アシカ |
Outline of Final Research Achievements |
動物園や水族館での飼育下の動物と飼育員との間で交差感染が生じているのか実態は不明である。本申請課題では、カリフォルニアアシカの歯周病の有病状況を明らかにすることを目的として、ヒトで検出される歯周病原性細菌のDNA検査を動物に応用し、歯周病原性細菌による人獣共感染症の実態を把握することを目的とした。動物園や水族館で飼育されている動物個体おいても、ヒト歯周病の原因菌が口腔内に感染していることが明らかとなった。アシカにおけるヒト歯周病原性細菌の感染と歯周病発症との関連性は現在不明であるが、アシカと飼育員、あるいはアシカ同士の間で交差感染が生じている可能性が示唆された。
|
Free Research Field |
小児歯科学
|
Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
ヒトは進化の過程を動物と共に歩んできたことにより、ヒトと動物が共生する機会が多くなり、歯周疾患が人獣共通感染症のひとつとして認識されるようなってきた。本研究から、アシカにおけるヒト歯周病原性細菌の感染と歯周病発症との関連性は現在不明であるが、アシカと飼育員、あるいはアシカ同士の間で交差感染が生じている可能性が示唆された。ヒトと動物の共生関係を科学的に解明し、その成り立ちを介してヒトと動物の健康社会に寄与することにより、ヒトと動物の共生科学を創生し、両者の健康を支える環境作りに繋げることが可能となる。
|