2020 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症の重症化予防に資する座位行動変容を中心とした運動指導プログラムの開発
Project/Area Number |
20H01125
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
田宮 創 獨協医科大学, その他部局等, 理学療法士
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 糖尿病性腎臓病 / 透析予防 / 座位行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,糖尿病性腎臓病患者(DKD)の重症化予防に資する運動指導プログラムを確立し,その効果検証を行うことである.ガイドラインで推奨されている週に150分以上の中等度身体活動を促進する従来の運動指導法に加えて,新たに座位行動を変革させる取り組みを追加した.18例のDKD患者に対して,病期に応じた強度で,有酸素運動を週に150分以上行うこと,上下肢を含めた8種類の筋力強化運動を週に3日以上行うこと,1時間以上の座位行動を中断すること,1日当たりの座位行動を1時間減らすことを指導し,非監視下で5か月間介入した.介入前後での採血データと活動量計(Actigraph)データを比較し,データ取り込みが可能であった11例を解析した. 結果,BMI,SBP,HbA1c,尿中Alb/Cre比に改善傾向がみられており,腎機能の増悪も生じなかった.また,有意差はみられなかったが,1回当たりの立位で過ごす時間が77分から90分へと増加傾向にあった.本研究結果より,客観的な指標を用いて個別に介入しても座位行動の変革は著しく変化しないため,ICTデバイス等を組み合わせる必要があると考える.また,症例数を増やすとともに短期的な血液データだけでなく,経時的な変化を追跡していく必要がある. 本研究の意義は,運動療法に座位行動の変革を加えた運動指導プログラムを確立することで,DKD患者の重症化予防に資することである.本研究で得られた座位行動の変化が,今後,DKD患者の血液データ,腎機能,血管機能,重症化リスクなどにどのような影響を与えるかを縦断的に調査し,効果を明らかにしていく.
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Research Products
(2 results)