2020 Fiscal Year Annual Research Report
RT-RPA法による迅速・簡便な体液種同定法の開発
Project/Area Number |
20H01127
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Research Institution | 石川県警察科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
久保 誠司 石川県警察科学捜査研究所, 公務員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | RT-RPA法 / 体液識別 / mRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
法科学鑑定において、mRNAが体液識別検査の有効な指標として注目されている。しかし、mRNA検出に一般的に用いられるRT-qPCR法は時間と手間がかかる。本研究では、等温増幅かつ1ステップでRNA検出が可能なRT-RPA法を利用し、mRNAを指標とした体液識別検査の迅速化・簡便化を目的とした。 RT-RPA法の標的mRNAとして、血液の指標となるHBB及び精液の指標となるPRM1を選択した。検出用のプライマー・プローブを最適化後、反応の確認を行ったところ、42℃の等温増幅で20分以内に標的mRNAを検出できた。また、血液及び精液から抽出したRNAの段階希釈液を用いて、RT-RPA法の検出感度を検討したところ、HBBでは0.02 ng、PRM1では0.4 ngであった。さらに、100倍量の他体液を含む混合試料からもHBBまたはPRM1を正確に検出することができた。次に、RNA抽出・精製にかかる時間と工程を削減するため、体液試料を簡易的に処理(細胞溶解・DNA分解)し、その粗抽出液を用いたダイレクトmRNA検出についても検討を行った。RT-RPA法は、簡易処理した血液からもHBBを検出することができ、阻害に強い検出系であることが示された。一方、今回使用した簡易処理法では、精液からPRM1を検出することができなかったため、更なる最適化の必要がある。 以上の結果から、RT-RPA法がmRNAを指標とした体液識別検査において、迅速・簡便な方法であることを明らかにした。
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