2020 Fiscal Year Annual Research Report
字画の局所安定性に着目したテンプレートマッチングによるオンライン署名照合の研究
Project/Area Number |
20H01154
|
Research Institution | 警視庁科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
大川 学 警視庁科学捜査研究所, 研究員
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 –
|
Keywords | 署名照合 / 法科学 / バイオメトリクス |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 署名照合は、筆者固有の書き方に着目しながら署名の真偽を照合するものであり、科学捜査・バイオメトリクス認証等に応用され、近年はディジタル端末の普及により、オンライン署名の需要が増加している。従来のオンライン署名のマッチングでは、サイズの異なる署名データ間の類似度計測として、主に動的時間伸縮法(dynamic time warping:DTW)による大局的距離が用いられており、そこでは全マッチング点の局所的距離を等価に扱うため高度な訓練偽筆に対する脆弱性の課題があった。そこで本研究は、オンライン署名照合において、登録フェーズで参照署名から平均テンプレートを生成し各参照署名とのマッチングから局所安定度を算出後、それを認証フェーズでの入力署名・平均テンプレート間のマッチング時の重みとして用いる距離指標を新規構築し、偽筆耐性向上・照合性能改善を試みた。 【研究方法】 本研究では、登録フェーズにおいて、参照署名データに対し、前処理・特徴抽出後、平均テンプレート生成・局所安定度算出を行い、認証フェーズにおいて、テスト署名の前処理・特徴抽出後、平均テンプレートとの比較に局所安定度を適用したDTWを計算し、その距離指標と閾値との大小により真偽判定を行う、オンライン署名照合のテンプレートマッチング法を構築した。 【研究成果】 本提案手法の有効性確認のため、公開署名データセットを用いて、先行研究との比較実験により有効性を評価した。その結果、本提案のオンライン署名照合法を適用することで、従来手法よりも性能面・運用面ともに有効な成果を得た。
|