2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H01156
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山下 佳子 名古屋大学, 医学部附属病院, 技術員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | IoT(Internet of Things) / 手指衛生 / 位置測位 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】医療現場での感染防止に手指衛生が重要であり、WHOは患者ケアにおいて手指衛生が必要なタイミングを整理し院内感染予防に成果を上げてきた。代表的なモニタリング法は直接観察法と手指消毒剤の使用量調査だが、時間と労力がかかることが問題点とされている。本研究は、IoT(Internet of Things)を活用した手指衛生モニタリング手法により人的/時間的コスト削減効果についての調査検討することを目的とした。 【方法】対象者は個人用手指消毒剤のポンプ部分に、押下時に位置情報発信用のBluetooth Low Energyビーコンを装着した。手指衛生実施時に押下したビーコンからの信号は、最寄りのアンテナに検知され、位置情報・ポンプID・検知時間がサーバへ送られ、位置情報と検知時間より、対象者のポンプIDを照会し、手指衛生を行った場所・時間別に正確に検出した。 【成果】各タイミング別で定義した手指衛生実施率の割合は、入室前30秒以内34%、ベッドエリア内27%、退室後30秒以内1%、それ以外38%であった。カウント漏れは0%(ポンプセンサー押下総数480/総受信信号数480)で、消毒剤使用量記録より、押下回数と使用量との相関性は、単回帰分析により相関係数0.927の高い相関性が認められた。本研究におけるIoTを活用した手指衛生剤モニタリングは、位置情報を利用しエリア間移動における手指衛生状況への対応可能性を示した。また、使用量モニタリング法とサンプリング効率(100%vs100%)、粒度(1秒毎vs毎日)で優れ、システム測定値と使用量実測値の間に高い線形性を認め、使用量実測値を高い確度で推測でき十分代替できると考えられ、人的/時間的コスト削減効果につながると考える。また、位置情報を利用することで、水平感染ルートの推測など、幅広い感染制御利用に展開する事が可能となると考える。
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Research Products
(2 results)