2021 Fiscal Year Annual Research Report
Influence of Theology on the Modern British Philosophy
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20H01180
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
矢嶋 直規 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10298309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柘植 尚則 慶應義塾大学, 文学研究科(三田), 教授 (00305898)
長尾 伸一 名古屋大学, 経済学研究科, 名誉教授 (30207980)
古家 弘幸 徳島文理大学, 総合政策学部, 准教授 (30412406)
下川 潔 学習院大学, 文学部, 教授 (40192116)
ALBERG Jeremiah 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (80552182)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 近代英国哲学 / キリスト教神学 / 宗教哲学 / ロック / ヒューム / スミス / リード / ミル |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は研究2年目であり、研究代表者および研究分担者は互いに情報を交換しつつ、初年度に提示した各自の研究課題について個別論文の作成に向けて研究を進めた。本研究課題は英国哲学史の通史を更新することを目的にしているため、現在参加している6名の研究者に加え、研究協力者としてバークリ研究の専門家である中央大学講師竹中真也氏を招聘して研究会を行った。また研究代表者がプログラムダイレクターを務めた国際学会(ISSP、国際基督教大学)において3名の研究分担者が研究発表を行った。 個別課題については、研究代表者は9月10日にオンラインによって開催された国際スコットランド哲学会(ISSP)において発表を行った。またヒュームの宗教論について、『自然宗教についての対話』の翻訳の書評を担当しバトラーとヒュームの関係を指摘した。さらに澤田和範著『ヒュームの自然主義と懐疑主義――統合的解釈の試み』の書評を担当しヒュームにおける懐疑主義と自然主義の関係を考察した。また共訳者とともにトマス・ヒル・グリーン著『倫理学叙説』の翻訳を行い、イギリス理想主義におけるキリスト教の意義を考察した。 研究当初に構想したロックからミルに至る哲学者について、それぞれの理論にキリスト教神学との密接な関係が存在すること確認され、新しい視点から近代イギリス哲学史を提示する見通しが明確になりつつある。分担研究者も各自の研究課題について着実に研究を進め、関連する論文を公刊している。2022年度の前半にはすべての原稿が整う予定であり、出版に向けての準備が整いつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度はコロナウイルスによる行動制限のため、当初の計画を一部変更することを余儀なくされた。しかし、研究代表者及び研究分担者は各自の研究課題について着実に研究を進めることができ、その成果も部分的に公刊されている。特に、2022年3月に国際基督教大を拠点としてオンライン開催された国際会議において成果が発表されたことは重要な成果であった。新たな研究協力者の参加により、ロックからミルに至る近代英国哲学史とキリスト教神学の全容が明らかになりつつある。さらに今年度から次年度に向けての具体的な工程が明確になっており、研究プロジェクトは順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度に定まった研究参加者全員の個別課題の各論文の完成とそれをまとめての単行本としての出版を目指して共同研究を行う。そのために、各人の完成原稿を読み合わせ論旨の明確化に努める。国内外の関連主題についての専門研究者から専門知識の提供を受け主題考察に万全を期する。また海外の研究者からは本主題についての論文を寄稿していただき、本研究会メンバーの論文と併せて英文での出版を準備する。その際英米、ヨーロッパだけでなく、近隣アジア諸国の研究者と共同で研究会を開催し研究課題の共有を目指したい。研究計画は当初の予定に即する形で順調に進捗しており、現時点で変更の必要は認められない。ただしコロナの状況次第であるが、当面研究会はオンラインで開催することになる見込みである。
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Research Products
(16 results)