2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Drukpa Kagyu School
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20H01183
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
熊谷 誠慈 京都大学, こころの未来研究センター, 准教授 (80614114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真崎 克彦 甲南大学, マネジメント創造学部, 教授 (30365837)
安田 章紀 京都大学, こころの未来研究センター, 研究員 (40638607)
小西 賢吾 金沢星稜大学, 人文学部, 准教授 (80725276)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ドゥク派 / GNH / 国民総幸福 / ブータン仏教 |
Outline of Annual Research Achievements |
仏教国ブータンはドゥク派を国教宗派としており、同派ぬきに同国の仏教や文化を真に理解することはできない。しかし、ドゥク派に関する文献は長らく入手が困難であったため研究の蓄積が乏しく、開祖ツァンパギャレー(1161-1211)の人物像や思想すら未解明の部分が多い。 そこで本研究では、古典文献の精読に基づきドゥク派仏教の歴史と思想を精査することを主目的とする。さらに、ドゥク派の現状を理解すべく、ドゥク派寺院を実地調査し、現代ブータン社会におけるドゥク派の役割と影響を検証することを副次的目的とする。 2020年度には、新型コロナウイルス蔓延のせいで、ブータンでのフィールド調査を実施することができず、また、海外研究者を招聘しての対面型でのシンポジウム企画については延期をすることになった。 他方、文献調査を進めることに専念し、研究代表者の熊谷と分担者の安田が中心となり、ドゥク派開祖ツァンパギャレーの伝記や著作の批判的校訂テキストおよび現代語訳の作成を進めた。加えて、テキスト検索のためのプログラミング・アルゴリズムの開発を進めた。 また、GNHに関して、研究分担者の真崎は、国際開発学会の研究部会や、日本ブータン学会にて、ブータン山村における協同組合支援や、GNH批判の学術的検討などについて発表を行った。加えて、研究代表者の熊谷が「ブータンにおける実践仏教:ブータンの仏教と国民総幸福(GNH)政策」(船山徹編『現代社会の仏教』(シリーズ実践仏教5), 京都:臨川書店, 2020年5月, pp. 91-163)と題して、ブータン仏教とGNHとの関係性について大枠を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度には、新型コロナウイルス蔓延のせいで、ブータンでのフィールド調査を実施することができず、また、海外研究者を招聘しての対面型でのシンポジウム企画については延期をすることになった。 他方、文献調査を進めることに専念し、ドゥク派開祖ツァンパギャレーの伝記や著作の批判的校訂テキストおよび現代語訳の作成を進めた。加えて、テキスト検索のためのプログラミング・アルゴリズムの開発を進めた。 GNHに関して、国際開発学会の研究部会や、日本ブータン学会にて、ブータン山村における協同組合支援や、GNH批判の学術的検討などについて学術発表を行った。 さらに「ブータンにおける実践仏教:ブータンの仏教と国民総幸福(GNH)政策」(船山徹編『現代社会の仏教』(シリーズ実践仏教5), 京都:臨川書店, 2020年5月, pp. 91-163)と題して、ブータン仏教とGNHとの関係性について大枠を整理した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、新型コロナウイルス蔓延のせいで、ブータンでのフィールド調査を実施することは容易ではないが、他方、先進国における国際研究集会の開催は可能になりつつある。今後、まずは先進国において国際共同研究を実施することから始め、ブータンでのフィールド調査も追って開始する。 他方、文献調査を進めることにより専念し、ドゥク派開祖ツァンパギャレーの伝記や著作の批判的校訂テキストおよび現代語訳の作成を進めていく。また、GNHについての研究を進展させていく。
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