2022 Fiscal Year Annual Research Report
前近代イスラーム世界における「組織」の成立に関する比較研究
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20H01187
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳橋 博之 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 準研究員 (70220192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 洋平 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (20634140)
菊地 達也 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (40383385)
井上 貴恵 明治大学, 文学部, 専任講師 (70845255)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ハディース / 定量分析 / ヌサイル派 / ハスィービー / イバード派 / 宣教活動 / スーフィズム / メヴレヴィー教団 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,代表者および各分担者がそれぞれの課題についての考察を深めつつ,ほぼ研究計画に沿った形で取りまとめを行った。その成果は,2022年11月19日開催の成果報告公開講演会「前近代イスラーム世界における「組織」」での各自の報告や『イスラームの内と外から―鎌田繁先生古稀記念論文集』(2023年3月刊)に寄稿した論考等に現れている。 柳橋(代表)は,ハディース(預言者ムハンマドの言行の記録)の定量分析の一環として,ハディースの伝播と伝承家のネットワークの拡大に関する定性的記述が,ハディースのイスナード(伝達の履歴)の定量的な分析によって裏付けられることを示した。菊地は,多年にわたりシーア派の一分派イスマーイール派の研究を重ねてきたが,本プロジェクトにおいてはそのまた一分派であるヌサイル派やドゥルーズ派の資料の分析を通して,少数派における組織と宣教活動の在り方を分析した。近藤は,もう一つの少数派ハワーリジュ派の一分派であるイバード派を専門とするが,2022年度はその資料を渉猟し,なかんずく指導的立場にある学者と一般信徒との関係や教育の在り方といった側面から同派の組織や教化に関して新しい知見をもたらした。井上は,スーフィズム(イスラーム神秘主義)を多面的に分析してきたが,本プロジェクトとの関連では,代表的なスーフィー教団であるメヴレヴィー教団の形成の過程を分析し,組織という観点からスーフィズム研究への寄与を行った。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)