2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analyzing the Representation of Southeast Asian Films through Collaboration of Area Studies and Film Studies
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20H01201
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 博之 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (80334308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 秀樹 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携准教授 (20808828)
西 芳実 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (30431779)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 映画 / 東南アジア / 地域研究 / 物語文化圏 / 社会正義 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会・文化の理解を踏まえた映画分析の調査として、インドネシアで1998~2020年に地元で制作された映画の作品リスト(200本)を作成し、それらのうち興行成績や内容をもとに選んだ50本について、あらすじを含む概要を作成した。研究会での議論を通じて30本を選び、父権主義、信仰規範、歴史認識の3つの角度から分析した。 研究分担者および研究協力者による研究会を3回行い、東南アジア諸国について、国ごとの映画史、主要な映画監督・作品、映像・上映技術の変遷などの観点から検討を行い、「東南アジア映画」という括り方の意義およびその内容について検討した。 事例研究では、インドネシアとシンガポールのホラー映画を取り上げ、地元社会の文脈を踏まえた恐怖の起源および社会の危機意識と不安感について検討し、それぞれディスカッションペーパーにより刊行した。また、マレーシアの映画を題材として、正義と忠誠をテーマとした古典文学が映像化されることで翻案され、正義と忠誠についての再解釈がなされている様子を検討し、ディスカッションペーパーにより刊行した。 2020年7月にオンラインによる東南アジア映画についての一般公開シンポジウムを行った。一般参加者を交えたディスカッションを通じて、(1)イスラム教徒とキリスト教徒が近隣どうしで暮らす社会における信仰と家族の関係、(2)第二次世界大戦中および独立後の日本と東南アジアの関係について検討して理解を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により、海外での調査を当初の計画通りに行うことができなかった。作品視聴およびディスカッションの一部をオンラインで行うとともに、今年度の調査の重点を国内に資料が比較的多いインドネシア映画に置いた。その結果、他地域についての調査は当初の計画と目標に満たない部分があった。
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Strategy for Future Research Activity |
投書の研究計画のうち、国内に比較的資料が多いタイ映画についての調査に重点を置いて研究を進め、新型コロナウイルス感染症の流行の状況を見ながら、タイで現地調査を行う。
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Research Products
(7 results)