2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H01202
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
並木 誠士 京都工芸繊維大学, 美術工芸資料館, 特定教授 (50211446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田羅 多起子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (10869324)
前崎 信也 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (20569826)
高木 博志 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (30202146)
木立 雅朗 立命館大学, 文学部, 教授 (40278487)
田島 達也 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 教授 (40291992)
三宅 拓也 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 助教 (40721361)
上田 香 嵯峨美術大学, 芸術学部, 准教授 (50510583)
和田 積希 京都工芸繊維大学, 美術工芸資料館, 特任助教 (50746112)
岡 達也 京都美術工芸大学, 工芸学部, 講師 (50833761)
中川 理 神戸女子大学, 家政学部, 客員教授 (60212081)
國賀 由美子 大谷大学, 文学部, 教授 (60802840)
山本 真紗子 京都市立芸術大学, 芸術資源研究センター, 日本学術振興会特別研究員(RPD) (70570555)
加茂 瑞穂 嵯峨美術大学, 芸術学部, 講師 (70705079)
倉知 桂子 同志社大学, 人文科学研究所, 嘱託研究員 (80275370)
武藤 夕佳里 京都芸術大学, 日本庭園・歴史遺産研究センター, 客員研究員 (80388206)
青木 美保子 京都女子大学, 家政学部, 教授 (80390102)
松尾 芳樹 京都市立芸術大学, その他部局等, 学芸員 (80728105)
前川 志織 京都芸術大学, 芸術学部, 専任講師 (80805664)
井戸 美里 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 准教授 (90704510)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 近代京都 / 美術教育 / 浅井忠 / 幸野楳嶺 / 京焼 / 図案 / 並河靖之 / 京都高等工芸学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度に開催した合同の研究会(オンライン)では、分担者の武藤から明治期京都の七宝産業と並河靖之についての詳細な報告があり、また、協力者の松原から近代京都の刺繍産業について、とくに海外輸出の観点から報告があった。いずれも、近代京都の美術工芸の発展における、とくに産業面でのかかわりを掘り下げたもので有益な情報共有になった。 また、京都工芸繊維大学美術工芸資料館で開催をした展覧会『美術の教育/教育の美術』において、代表者の並木が、明治政府の学制公布以前から小学校教育を始めた京都における教育と美術のかかわりを概観し、分担者の高木が歴史的な視点から近代京都の教育と美術の関係を論じた。さらに、並木が京都高等工芸学校初代教授浅井忠が手がけた美術教科書を分析し、分担者である岡と和田が京都高等工芸学校で使用した美術教材と生徒作品について分析した。また、分担者である青木は、明治期の女子教育における美術の位置付けについて考察した。 さらに、同じく美術工芸資料館で開催した『牧野克次・霜鳥之彦-洋画家の多彩な顔』展では、並木・和田が京都高等工芸学校初代教員の牧野克次、第1期生の霜鳥之彦それぞれの新出資料を用いて展示構成をおこなった。 その他の成果としては、分担者の岡が論文「「図案」の語義と概念の展開にかんする試論2-大日本図案協会『図按』における図案概念の検討」で、明治期における図案概念の成立と東京・京都での概念の相違について詳細に論じた。また、分担者加茂が伝統的な文様と図案とのかかわりについて考察し(『西川祐信『正徳ひな形』』)、分担者前﨑が明治期における京焼と九谷焼との関連を考察、分担者多田羅は幸野楳嶺の美術教育における運筆概念と美術史方法論として「モレッリ法」の京都における受容を分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研は当初からオンラインを想定しており、また、代表者・分担者が成果発表としておこなった展覧会も無事に開催できたため、資料の分析・紹介なども予定通り実施できている。とくに、近代京都における美術教育に関しては、京都市学校歴史博物館の全面的な協力も得ることができて、十分な成果を上げることができた。 また、分担者の個別の研究においても着実に成果が上がっているため、本研究は順調に進展しているということができる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2022年度の予定は全体の研究会を2回(4月、10月)実施する。すでに開催した第1回目の研究会では、分担者の田島と木立がそれぞれ、京都市立美術工芸学校の生徒の動向と近代京焼の窯のあり方について発表をおこなった。 10月には、京都高等工芸学校開校120周年にあたるため記念展覧会を実施し、並木・和田・岡・青木・高木などが協力して新しい資料を公開し、それについての研究成果を報告するとともに、中澤岩太・鶴巻鶴一・武田五一・浅井忠・都鳥英喜・牧野克次などの教授陣の業績の再確認、関西美術会、関西美術院、二十日回、遊陶園、京漆園その他、近代京都の美術工芸を牽引した団体それぞれの活動についての分析を進める予定である。 また、京都高等工芸学校の活動を東京美術学校、東京高等工芸学校など、東京における同種の学校における教育との比較検討も進める予定である。
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Research Products
(9 results)