2021 Fiscal Year Annual Research Report
貫戦期における日中映画の越境と協働をめぐる総合的研究
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20H01222
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Research Institution | Japan Institute of the Moving Image |
Principal Investigator |
アン ニ 日本映画大学, 映画学部, 特任教授 (70509140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味渕 典嗣 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10433707)
張 新民 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (40326244)
志賀 賢子 (川崎賢子) 立教大学, 文学部, 特任教授 (40628046)
松岡 昌和 大月短期大学, 経済科, 助教 (70769380)
渡辺 直紀 武蔵大学, 人文学部, 教授 (80409367)
吉田 則昭 目白大学, メディア学部, 特任准教授 (90823609)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 越境 / 人的交渉 / 貫戦期 / 東アジア、日本とロシア / 断絶と連続 / プロパガンダ、映画工作 / メロドラマ / 製作と受容 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ感染がまだ収まらない本年度では、本研究のメンバーたちがそれぞれ自分の判断により、地方に出張して資料調査を行ったか、あるいは居住している本拠地で研究を展開した。調査した新しい資料による業績を発表した人もいた。また研究グループ全員が参加する研究会は昨年度と同じく、下記の通り、zoomで三回開催した。 (1)2021年6月20日 韓国映画研究所代表韓相言氏(ハン・サンオン)による講演「朝ソ文化協会の主要刊行物ー解放直後・北朝鮮の文化状況と映画」を行い、参加者は研究メンバーを含めて全部で40名ほど。(2)2021年8月29日 北京外国語大学教授秦剛氏による講演「戦時上海における日本の映画工作ー光明影業公司『茶花女』をめぐる映画史の内幕」を行い、メンバー全員が参加した。(3)2021年11月28日 ロシア国立研究大学高等経済学院東洋学・西洋古典学研究所准教授フィオードロワ・アナスタシア氏による講演「Dirty and Clean ソビエト・ロシアにおける日本映画の受容(1923ー1963)」を行い、メンバー全員が参加した。 上記の定例研究会を踏まえて、年度末に「日本近現代文学研究におけるメロドラマ的想像力に関する多角的研究」(研究科研費基盤C 代表者:木戸雄一)とオンライン研究集会「〈国民〉を縫い直す 貫戦期におけるメロドラマ的想像力の歴史的位相」を2022年3月20日に共催した。本科研から張新民、五味渕典嗣とアンニはそれぞれ貫戦期における映画を対象にメロドラマ的想像力がいかに戦時と戦後の作品に投影されており、また歴史的文脈の変化によって、メロドラマの形式がどんな変容を遂げたのかと考察した。この研究会は両グループのメンバー以外に60名ほどの聴衆を集めることがてき、広く社会に向けて発信した。 また国立映画アーカイブでの研究映写会は2021年9月16日と2022年1月6日に二回開催し、映画を七本鑑賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はオンラインを生かし、外国で活躍している研究者との交流を通じて、予定している研究方向を目指しながら視野を広げることができ、おおむね順調に進展していると言える。とはいえ、コロナの世界での感染やロシアが発動した戦争のため、最初に予想しているロシアやシンガポールにおける研究調査や現地の研究者とのシンポジウムの開催が実施できなくなった。その中で、特にメンバー全員はロシアに行って合同研究会を行うのがほぼ不可能になるのは想定外のことだが、私たちでは左右できない理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の三年目になる2022年度では、これまでと同様、対面による研究会の開催を行うほか、下半期の海外出張を期待している。推進計画は下記の通りである。 (1)本研究のメンバー全員の海外での学術活動として、韓国に行き、貫戦期に東アジア映画の越境と交渉に関するミニ研究シンポジウムを一回行うことを計画しているが、もしコロナ感染状況により韓国の受け入れが難しいようであれば、シンガポールへの資料調査の実施を考える。 (2)また、現在進めている中国語のアンソロジーの出版はできれば年度内に実現させたいと考えている。 (3)これまで進めてきた外国ゲストが講演するzoom研究会は、ニ、三回実施し、国立映画アーカイブでの研究映写会も適切な時期に一、二回開催するつもりである。
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[Book] 森田芳光全映画2021
Author(s)
宇多丸・三沢和子編著 アンニ執筆分担
Total Pages
174-176
Publisher
Little More
ISBN
9784898155455
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