2021 Fiscal Year Annual Research Report
Transpacific Nuclear Imagination and Colonialism
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20H01245
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
松永 京子 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (50612529)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 隆行 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (30512579)
一谷 智子 西南学院大学, 外国語学部, 教授 (70466647)
伊波 陽子 (村上陽子) 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (40780581)
小杉 世 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 教授 (40324834)
ゴーマン マイケル 広島市立大学, 国際学部, 教授 (20625892)
ジェイコブズ ロバート 広島市立大学, 付置研究所, 教授 (60423969)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 核文学 / 原爆文学 / 植民地主義 / 先住民文学 / 環太平洋圏 / （ポスト）コロニアリズム / エコクリティシズム |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、前年度に引き続き、アメリカ、カナダ、オセアニア、東アジアにおける核・原爆の言説や表象を（脱）植民地主義との関係から再評価するため、各メンバーがそれぞれの担当地域における関連研究テーマについて資料収集、調査、文献分析をおこない、定期的な研究会を開催して進捗状況を確認と問題共有をおこなった。松永とゴーマンは、アメリカ中西部における先住民文学や環境文学に着目し、核開発と植民地主義的政策との関連や、核汚染問題について調査・分析をおこなった。ジェイコブズは、マーシャル諸島の核被害の実態を「グローバル被爆者」の観点から調査・分析をおこなった。小杉と一谷は、2020年度に引き続き、核実験やウラン鉱山の被害を受けてきたオセアニア地域の先住民作家による小説・演劇・ビジュアルアーツの分析や、ポリネシア言語文化の調査を進めた。東アジアを中心に研究を進めてきた川口と村上は、コリアン被爆者や沖縄をめぐる核・原爆表象と社会運動や植民地主義の相関関係を調査・分析した。
2020年度に開催できなかった国際フォーラム「環太平洋地域における核をめぐる想像力と植民地主義」の代替案として、2021年度後半は本フォーラムに参加する予定となっていた台湾先住民族タオ人作家シャマン・ラポガン氏とベトナム少数民族チャム人作家インラサラ氏を招聘し、リーディングやディスカッションを中心としたイベントをオンラインで開催した。また、共著 Nuclear Colonialisms and Transpacific Imaginations（仮）執筆のために、問題意識の共有と意見交換をするための研究会を設けた。得られた結果の一部は、中四国アメリカ学会シンポジウム “Hiroshima, America, and Nuclear Legacies” などで発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の2020年度は新型コロナウイルス拡大の影響で国内外の調査がほとんどできなかったが、2021年度はそれぞれの担当地域における現地での資料入手や調査の機会が限定的ではあるが可能となり、前年よりも研究が進んだ。また、2020年度に開催予定だった国際フォーラムの代替案として、台湾先住民族タオ人作家シャマン・ラポガン氏とベトナム少数民族チャム人作家インラサラ氏を招聘し、リーディングやディスカッションを中心としたイベントをオンラインで開催できたことは、本研究の進展に大きく貢献した。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、これまで同様、各メンバーがそれぞれの担当地域における関連研究テーマについて資料収集、調査、文献分析をおこない、定期的な研究会を開催して研究成果や問題点を共有しつつ、議論を進める。具体的には、松永はアラスカにおける反核運動と先住民運動を調査し、新聞 Tundra Times などのメディアの役割を検証、ゴーマンはエネルギーをめぐる「環境的暴力」や植民地主義的政策の調査し、五大湖周辺を中心としたアメリカ中西部における先住民文学や環境文学を分析、ジェイコブズはフランス領ポリネシアにおけるメモリアルをめぐる核の記憶の植民地化について調査、小杉はオーストラリアやニュージーランドの先住民作家による作品におけるトランスパシフィックな核のつながりを検証、一谷はマーシャル諸島出身のキャシー・ジェトニル・キジナーの詩集や震災前後に書かれた津島祐子の作品を分析、川口は東アジアの文脈から原爆表象、社会運動、植民地主義の相関関係を検証、村上は沖縄被爆者表象や沖縄文学における原爆表象を分析する予定である。また、定期的な研究会では、本研究代表者と分担者の調査・分析結果を共有する中間発表の場を設ける。研究成果を発表するための共著の準備も進めていく。
2020年度開催予定だった国際フォーラムでは、ドキュメンタリー映画『寡婦の村』のピーター・ブロウ監督とピーター・ヴァン・ウィック氏との対談・ディスカッションを開催する予定だったが、新型コロナウイルス拡大の影響で実現できなかった。代替案として2020年度に本ドキュメンタリーについて論じる研究会を開催したが、対面での上映会と対談・ディスカッションを実現させるため、引き続き準備を進めていく。
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[Book] 戦後日本の傷跡2022
Author(s)
川口隆行，坪井秀人ほか
Total Pages
376
Publisher
臨川書店
ISBN
978-4-653-04517-5
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