2020 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation into the Evolution of the Twentieth Century Russian Literature: Defamiliarization, Transgression, Post-Modernization
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20H01246
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
野中 進 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (60301090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 真一 上智大学, 外国語学部, 教授 (00265555)
古宮 路子 埼玉大学, 人文社会科学研究科, その他 (00733023)
宮川 絹代 札幌大学女子短期大学部, その他部局等, 助教 (40757366)
Grecko Valerij 神戸大学, 国際文化学部, 非常勤講師 (50437456)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロシア文学 / 近代文学 / 世界文学 / 文学理論 / 小説 / 演劇 / 亡命文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はコロナ禍のため、予定していた海外調査・出張などができなかった半面、文献資料に基づく基礎的研究を進めた。具体的には、研究計画に示された通り、20世紀のロシア文学の小説・詩・演劇・文学理論・亡命文学の各領域において「異化・越境・ポスト近代」を共通の鍵概念とし、各参加者で分析と綜合化の作業を行った。コロナ禍のため、実際に集まって研究打合せをすることが難しかったため、オンラインで定期的に連絡を取り合い、全体の研究コンセプトを維持・発展させた。 2020年度にはいくつかの業績を上げることができたが、主要なものとしては、エルヴィン・ナギ著、野中進訳『革命記念日に生まれて 子どもの目で見た日本、ソ連』東洋書店新社。438 pである。これは20世紀のロシア文化研究の基礎的資料として、研究代表者の野中が翻訳・出版したものであるが、学術界のみならず、産経新聞や『AERA』など一般的なメディアでも取り上げられた。人文系の研究の社会発信として意義のあることと考えられる。 また、研究分担者のグレチュコ、ヴァレリーは台湾で発刊されている国際学術誌に論文「ロシア現代史における多言語性:類型論の試み」(原文ロシア語、Interface. Journal of European Languages and Literatures, Vol. 12, 2020, pp. 85-110.)を発表し、「異化・越境・ポスト近代」という観点から現代ロシア詩研究についての理論的枠組を示した。これも、本研究プロジェクトにとって重要な業績である。 他の分担者の業績については、別項を参照されたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ロシアなどへの出張を予定していたが、コロナ禍のために延期を余儀なくされた。そのため、2020年度に予定していた研究はかならずしも完全には実施できていない。文献資料に基づく基礎的研究を実施したが、ロシアでの調査・国際会議への参加などが十分にできていないことは懸念材料となっている。しかし、2021年度、予定していた主要作業の一つである国際論集の編集・出版も果たしており、遅れは十分取り戻せると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年5月現在、海外渡航が可能になりつつあるので、国際会議への参加、ないし組織を行い、本研究の成果発信の機会としたい。
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Research Products
(9 results)