2022 Fiscal Year Annual Research Report
Creation, Transmission, and Reception of Persian Historical Legends
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20H01250
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
近藤 信彰 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90274993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 修 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00733007)
山中 由里子 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 教授 (20251390)
菅原 由美 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (80376821)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歴史物語 / ペルシア語 / ハムザ物語 / 王書 / アレキサンドロス物語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、別の研究資金を獲得したため、このテーマの研究をより広く行うことが可能となった。近藤信彰は2022年8月には、スペイン・サラマンカ大学で行われた国際イラン学会第13回大会において、Spinning Stories: The Evolution of the Dastan as a Genreというパネルで“Interrelations among Various Versions of the Persian Hamzanama”という報告を行った。このパネルの4つの報告のうち、近藤のものを含め3つがハムザ物語に関するものであり、ハムザ物語研究の最先端を知るとともに、国際的なつながりを持つことができた。 2023年3月にはミュンスター大学のPhilip Bockholt氏を招聘し2回のワークショップを開催した。1回目は“Kalila and Dimna in Anatolia: Persian and Turkish Traditions” と題し、研究協力者の神田惟がBockholt氏とともにアナトリアで著された韻文のカリーラとディムナの写本について報告した。2回目は“Banakati and Khvandamir: Value and Readership of Persian General Histories”と題し、大塚修がバナーカティー史を世界史として再評価する報告を行った。 海外調査では、研究協力者山本久美子がアメリカ・ロサンジェルス在住のペルシア語女性講釈師であるGord Afarid氏のパフォーマンスの調査を行った。彼女のインタビューや提供してくれたビデオと録音は、これまでの歴史物語の口誦パフォーマンス研究をいっぺんさせる可能性のある貴重なデータである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで難しかった海外での調査や学会発表が可能となり、繰越分や他資金も含めて活動できるようになった。この意味で、申請時に構想していたことがようやく本格的に実行でき、研究に大幅な進展が見られた。 特に、山本久美子氏のロンドン大学東洋アフリカ研究院紀要に掲載された論文、Hamza versus Rustam: Comparing the Hamzanama with the Shahnamaは、有名な『王書』の英雄であるロスタムと『ハムザ物語』の主人公ハムザを比較したもので、この分野の最先端の研究と言える。近世においては『王書』と『ハムザ物語』の語りがともに聴衆を集めていたことを考えれば、両者の差異は興味深い。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究3年目に予定していた国際シンポジウムを4年目である来年度9月に開催する予定である。すでに、ドイツのこの分野の第一人者Ulrich Marzorfの参加が決定している。また、ライデン大学のBen Arps氏も9月から5ヶ月間、東京に滞在することが決まっており、研究を一気に進展させる予定である。研究成果出版のためのBrill社との交渉も始まっており、優れた成果を国際学界に示すようにしたい。
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