2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the Mechanism of "Motivation Contagion" in English Learning
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20H01290
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
廣森 友人 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (30448378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 征洋 摂南大学, 外国語学部, 准教授 (90524471)
桐村 亮 立命館大学, 経済学部, 教授 (40584090)
三ツ木 真実 小樽商科大学, 言語センター, 准教授 (80782458)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 英語学習 / 動機づけ / エンゲージメント / ペアワーク / グループワーク / グループダイナミックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,英語学習のやる気(動機づけ)が伝染するメカニズムを解明することである。ペア/グループ活動に焦点を当て,学習者の動機づけが変化/発達するプロセスを複数の研究手法を組み合わせ統合的に記述/分析する。本年度は,これまでの英語学習(授業,授業外活動)において,やる気が伝染した経験の有無,ペア/グループ活動でやる気が一挙に高まった瞬間や出来事,そのようなやる気が継続した期間などについて質問紙法を用いた調査を実施した。これまでの先行研究を整理すると,やる気の伝染を引き起こす要因として,個人が経験するフロー(時が経つのも忘れて,何かに没頭する状態)の考え方をグループ活動に応用した「Group Flow」(Hout, 2016; Sawyer, 2006),さらにSLA版のフロー概念として提案されている「Directed Motivational Current (DMC)」(Dornyei & Muir, 2017; Muir, 2016)の枠組みなどがある。これらを参考にした質問紙調査,ならびにインタビュー調査を実施した結果,いくつかの制約は残るものの,FlowやDMC的な体験を生み出すグループ学習,すなわち学生同士の相互の動機づけを高めるようなプロジェクト学習の設計は十分に可能であることが示唆された。FlowやDMCを引き起こすプロセスやメカニズムを明らかにすることができれば,教師は動機づけの伝染を意図的に教室に取り入れることができるようになるかもしれない。このことは,新たな教育実践や学習活動の可能性を示すものであり,この点で実用的な意義が非常に大きいと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やる気の伝染を実証的に研究するといった場合,当初の計画ではいわゆる対面における英語授業を対象とした実験調査を予定していた。しかし,この間,新型コロナウイルス感染症の拡大により,全面的にオンライン授業への切り替えが行われ,想定していた計画を大幅に見直す必要が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
先述したように,新型コロナウイルス感染症の拡大により,研究計画の変更を検討する必要性が生じた。そこで,次年度については,いわゆるリアルタイム型のオンライン授業を対象とした実験調査を実施する予定である。Zoomのブレイクアウト機能などを用いて,オンラインにおけるペア/グループ活動に焦点を当て,英語学習のやる気(動機づけ)が伝染するメカニズムの解明を目指す。
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Research Products
(4 results)