2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Basic Study on putting Koguryo and Bohai from the perspective of East Eurasian History
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20H01323
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
古畑 徹 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (80199439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 芳孝 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究センター, 客員教授 (10410367)
毛利 英介 関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (10633662)
吉永 匡史 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (20705298)
古市 大輔 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (40293328)
小林 信介 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (50422655)
村井 恭子 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (50569291)
植田 喜兵成智 学習院大学, 付置研究所, 助教 (50804407)
渡辺 健哉 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (60419984)
赤羽目 匡由 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (60598853)
中村 亜希子 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 客員研究員 (60600799)
覚張 隆史 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究センター, 助教 (70749530)
中村 和之 函館工業高等専門学校, 一般系, 特命教授 (80342434)
井上 直樹 京都府立大学, 文学部, 准教授 (80381929)
足立 拓朗 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究センター, 教授 (90276006)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高句麗 / 渤海 / 東部ユーラシア史 / 東北アジア / 歴史の争奪 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、①高句麗・渤海と「東部ユーラシア」諸地域、とりわけ看過されてきたモンゴリアとの関係を具体的・実証的に明らかにすること、②7世紀以降、現代に至るまでの「東部ユーラシア」諸地域において、高句麗や渤海がどのように認識されてきたかを、可能な限り具体的に示すことを、3年間の目標として設定した。今年度は、この目標に向けての基礎的な史料・資料収集や、関係各国における研究状況についての情報収集を行う予定であったが、コロナ禍による移動制限で、どちらも十分に実施できなかった。そのため、今までに集めた情報を集約して、研究発表や論稿化することに力を注ぐことに初年度の計画を変更した。また、コロナ禍で延期になった二国間交流事業(セミナー)「高句麗・渤海史に関する日中研究者会議」を3月に実施予定であったが、コロナ禍が続き中止となった。それでも、準備のためのオンライン研究会を実施し、さらに中止の代わりに日中研究者会議のために集めた論稿の出版計画を立て、出版社を押さえることができた。この成果公開は、次年度となる。 本年度の研究実績として特にみるべきは、研究課題①である。代表者である古畑によって、渤海と「東部ユーラシア諸地域」の具体的な関係を示す実証的な研究成果が公表され、なかでも古畑徹「靺鞨・渤海はなぜ「北狄」なのか」(『東方学』140、2020年7月)は本研究課題の核心についての最も重要な成果である。また、同『渤海国と東アジア』(汲古書院、2021年2月)では、序論で東部ユーラシア史という広域史概念についての簡単な整理が行われるとともに、渤海とモンゴリアの遊牧勢力との有機的な連関の具体例が第2部の各章で示された。このほか多数の研究分担者・研究協力者が研究課題①②に関連する研究発表を行っており、それらの多くは次年度に論稿化される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、基礎的な史料・資料の収集や、関係各国における研究状況についての情報収集を行う予定であったが、コロナ禍によって移動が制限され、どちらも十分に実施できなかった。そこで研究の順序を変更し、今年度は今までに集めた情報を集約して、研究発表や論稿化して発信することに注力することとした。この変更した計画をもとに判断し、概ね順調に推移しているとした。理由は次のとおりである。 ①研究代表者である古畑をはじめとして、多くの研究分担者・研究協力者が準備段階で集めた諸情報をもとに論稿の公刊や研究発表を行った。また、研究代表者及び研究分担者2名は予算の繰越を行い、次年度の前半の研究発表はこの予算で実施した。どの研究者も次年度後半には新たな成果の公表ができるよう準備するところまで研究が進んでいる。 ②今年度内に論稿の公刊や研究発表を実施できなかった研究分担者・研究協力者も、既に次年度における学会・研究会へのエントリーや論稿発表の準備ができており、その成果は次年度に明確になる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の順序を入れ替えたので、今後はコロナ禍の状況改善及び終息を待って、基礎的な史料・資料の収集、及び関係各国における研究状況についての情報収集を再開させることが重要である。ただ、状況の改善があっても、計画当初に想定されていたような関係国間の自由な往来は制限されると考えられるので、輸入可能な書籍の購入やオンライン上で集められる情報の収集に力を注ぎ、十分に行うことができない国際的な研究交流を補うことに注力する。 また、本来は前年度末に実施して、本研究プロジェクトのプレイベントになるはずであった「高句麗・渤海史に関する日中研究者会議」を、本年度末まで延期したにもかかわらず、最終的には中止することとなった。ここで報告されるべき研究成果をこのまま放置することはできないので、関連する研究の成果と合わせて、来年度中をめどに公刊する。 さらに、最終年度に行う国際シンポジウムに向けて、研究代表者と研究分担者・研究協力者との打ち合わせと、各研究成果を報告・意見交換する研究会を、コロナ禍が収まって可能なら金沢に集合して、収まらなければオンラインで、実施する。
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Research Products
(32 results)
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[Book] 元朝の歴史2021
Author(s)
渡辺健哉ほか編、中村和之、ほか
Total Pages
322
Publisher
勉誠出版
ISBN
9784585325024
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[Book] 鞏義黄冶窯発掘調査報告2021
Author(s)
国立文化財機構奈良文化財研究所(中村亜希子ほか)
Total Pages
622
Publisher
国立文化財機構奈良文化財研究所
ISBN
9784909931740
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[Book] 史料与場域2021
Author(s)
平田茂樹・余蔚編(渡辺健哉ほか)
Total Pages
349
Publisher
上海人民出版社
ISBN
9787208168305
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[Book] 古代史論聚2020
Author(s)
木本好信編(吉永匡史ほか)
Total Pages
852
Publisher
岩田書院
ISBN
9784866021041
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