2020 Fiscal Year Annual Research Report
Historical archaeology on the ruling form and internal structure of the ancient Near Eastern empires focusing on the frontier region
Project/Area Number |
20H01328
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
西山 伸一 中部大学, 人文学部, 准教授 (50392551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 展也 中部大学, 人文学部, 准教授 (10365497)
津村 眞輝子 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (60238128)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 鉄器時代 / 帝国 / アッシリア帝国 6 / サーサーン朝 / 境界域 / 支配構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
帝国の境界域を文献・考古学、地理情報科学、貨幣学の融合により研究する本研究は、その初年度よりコロナ禍にみまわれ、渡航困難な時期が続いた。その最初の年度はそれにあたる。この年度は各人がこれまで収集したデータをもとに研究を進めた。文献・考古学は、これまでのヤシン・テペ遺跡の発掘調査の成果のとりまとめ、ならびにアッシリア帝国の王室文書でクルディスタンに関するものを再点検する作業を行った。地理情報科学は、高精細の衛星画像を使用し、ヤシン・テペ遺跡周辺の古代の遺構について分析を行った。また貨幣学では、現在のイラク・イラン両国境地帯に位置するクルディスタンとその近郊で発見されたサーサーン朝時代の貨幣について調査するとともに貨幣の帝国西方の様相について出版された文献を中心に研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により海外渡航が制限されたため、現地におけるフィールド調査が延期となった。このため、新たなデータの取得ができなくなったが、既存のデータや過去の研究の整理などにより、今後の課題等を洗い出し、フィールド調査の再開の時期を目標に、計画も見直すことができた。このため、研究の進展には多少の遅れもでたが、全体の過程を考えた場合には、影響は少ないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、フィールド調査の再開を目指してできることから始めるようにする方針である。文献・考古学分野では、過去の調査データを整理し、調査が再開した際には、すぐに比較研究できる体制を整える。地理情報科学の分野では、衛星画像データの解析をすすめ、フィールド調査が再開した際に、すぐに地上での遺構の検証ができるようにする。さらに貨幣学の分野では、過去の資料を洗いなおすとともに、現地博物館と連絡をとり、新たな資料の取得に努めるようにする。
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