2020 Fiscal Year Annual Research Report
「共感すること」の歴史的変遷―18~20世紀ヨーロッパの感情史
Project/Area Number |
20H01333
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
伊東 剛史 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (10611080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 周 南山大学, 外国語学部, 准教授 (00803868)
篠原 琢 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20251564)
小野寺 拓也 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (20708193)
森田 直子 立正大学, 文学部, 准教授 (30452064)
赤松 淳子 文京学院大学, 外国語学部, 准教授 (60723004)
芹生 尚子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (70783702)
巽 由樹子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (90643255)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 感情史 / 共感 / ヨーロッパ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、18~20世紀ヨーロッパを対象とし、共感を主題とする感情史を探究するものである。共感を自他の感情の互換性を想像し、特定の感情を共有する行為として再定義したうえで、「共感すること」がいかなる社会的実態を伴い、それが歴史上どのように展開してきたのかを明らかにする。社会的統合と分断の問題が先鋭化した今日的状況の理解に資することが、本研究の最終的な目標である。当初の計画では、第1回研究会(6月)において、感情史理論に関して先行して研究してきた伊東、森田、小野寺が中心となり、感情史の方法論について研究参加者間の理解を深め、第2回研究会(9月)において、夏期に史料調査を行ったメンバーによる報告を行い、 第3回研究会(12月)において、感情研究に従事する他分野の研究者を国内より招聘し、学際的な比較研究の推進を目的としたミニワークショップを開く予定であった。さらに、 第4回研究会(3月)では、春期に史料調査を行ったメンバーが報告を行い、初年度の総括と次年度に向けた具体的な計画策定をする予定であった。しかし、コロナ禍の影響により、各メンバーが予定していた現地文書館等での史料調査が実施できなかったため、オンライン史料等の代替史料の調査に切り替えたり、先行研究の整理を重点的に行うなどの対応を迫られた。オンライン研究会の運営に関しても、当初は知識と経験の蓄積がなくさまざまな問題が生じたが、2020年10月にはオンライン会議を行い、感情史の直近の研究動向について整理し、また、今後の研究の進め方について意見交換をすることができた。以上のように、プロジェクト構想時には想定しえなかった問題が生じたものの、共同研究をスタートさせ、次年度へとつなぐことができた。2021年度以降も、史料調査は困難をきわめたものの、デジタル環境の向上により、当初の構想とは異なるものの、各メンバーがそれぞれの事例研究を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍によるさまざまな対応に注力することが求められ、当初の予定どおり史料調査などを行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
必ずしも現地での史料調査に執着せず、オンライン史料等を活用することで、活路を見いだす。個々の事例研究についても、当初の構想に拘泥せず、新しい展開も見据えて柔軟に対応する。
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Research Products
(31 results)