2021 Fiscal Year Annual Research Report
Anthropological reexamination of Nagaoka feudal clan Makino family
Project/Area Number |
20H01375
|
Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
奈良 貴史 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (30271894)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 憲五 佐賀大学, 医学部, 助教 (00635568)
吉田 皓文 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (00845688)
佐宗 亜衣子 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (10532658)
米田 穣 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30280712)
戸坂 明日香 京都芸術大学, 文明哲学研究所, 准教授 (40894548)
安達 登 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60282125)
鈴木 敏彦 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (70261518)
川久保 善智 佐賀大学, 医学部, 助教 (80379619)
波田野 悠夏 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (10907504)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 出土人骨 / 貴族形質 / 近世大名 / 骨考古学 / 鉛中毒 / ストレスマーカ / 復顔 |
Outline of Annual Research Achievements |
1985年に港区済海寺より長岡市栄凉寺に改葬された長岡藩牧野家歴代の遺骨を研究初年度に現当主牧野忠昌氏の立会いの下墓石を除去し取り出した後、新潟医療福祉大学に搬入して研究を着手した。新たに復顔する藩主4代忠壽、8代忠寛、9代忠精、11・14代忠恭、8代正室長姫、10代正室逸姫のうち、藩主4代忠壽は分担者の戸坂、9代忠精は分担者の川久保、8代正室長姫、10代正室逸姫は分担者の鈴木・波田野が完成させ、復顔に関しての班会議を実施した。8代忠寛、11・14代忠恭の復顔は作業も順調に進め今年度中の完成を目指す、新たに8代正室長姫の祖母である大岡?の復顔を着手する予定である。 徳川将軍家を含めた支配階層と庶民との比較で牧野家頭骨がどのような位置を示すか検討した。江戸時代に階層によって生前受けていたストレスが違っていたことの報告例が増加しているが、牧野家に関してはこの情報が抜けているので、より精密な大名一族の生活環境復元を目指すためクリビア・オルビタリア、エナメル質減形成、ハリス線、骨膜炎の各種ストレスマーカの出現状況を確認した。なかでもこれまで各研究者で評価基準が曖昧だったハリス線に関して、X線のみならず、CT撮影も行い、評価基準の確立を目指した。さらに、江戸時代には上級武士などでは高頻度で入歯を使用していたことが知られているので、大名家系の口腔衛生状況を解明をめざすため生前喪失歯、咬耗、歯冠損傷痕、齲歯、歯石(歯垢)の付着度、歯周病などの多岐にわたる口腔衛生指標を検討して来たが、比較対象として江戸時代の農村部から出土した人骨を観察した。江戸時代の支配層の幼児死亡率の高さの要因を探るべき鉛分析のためのサンプリングを行い分析を着手した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由 現在新潟医療福祉大学に長岡藩主歴代牧野家の人骨があるが、研究初年度コロナ感染拡大による緊急事態宣言発出により他県からの研究者立ち入り禁止措置が長期間に渡り、県外在住の分担者がサンプリングに来れない状態が続き、当初の予定より研究が遅れた。遅れを取り戻すように努力しているが、依然と行動制限等があり、完全には遅れを取り戻せていない。研究当初の計画では、毎年の成果を新潟県長岡市で公開ンポジウムの開催を計画していたが、2年連続で開催は出来なかった。今後感染状況をみて、シンポジウム等が開催可能だと判断したら、直前の予約が困難な大規模ホール等ではなく、小規模な会場で複数回開催する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的の一つは最新の出土人骨を用いた人類学的研究の成果を一般に還元することである。そのため大規模会場で一般公開成果発表シンポジウムを毎年開催し、その会場に復顔模型を展示することを企画していた。しかしながら依然コロナ感染防止のため、従来の博物館の企画展のような集客型の成果発表を行うことが困難である。従って、小規模会場のミニ企画展や講演会などをこまめに開催したい。さらにインターネットを活用した成果発表方式を考案し、従来にはない方式で一般に成果発表を行いたい。
|
Research Products
(3 results)