2021 Fiscal Year Annual Research Report
Winter/spring climate changes during the past 300 years based on the continuous records of lake/river freezing and snowfall
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20H01389
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
三上 岳彦 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 客員教授 (10114662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 洋 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (50397478)
財城 真寿美 成蹊大学, 経済学部, 教授 (50534054)
長谷川 直子 (石黒直子) お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (60433231)
平野 淳平 帝京大学, 文学部, 准教授 (80567503)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 気候変動 / 降雪率 / 領域気候モデル / 日記天候記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,昨年度に引き続き,日記の天候記録から読み取った冬季の降雪率(降水日数に対する降雪日数の比率)と冬季平均気温の高相関に基づく18世紀以降の冬季気温復元を試みた。2020年度は,日本海側地域の弘前における降雪率から冬季気温を復元したが,2021年度は,日本海側気候と太平洋側気候の両者の影響を受ける九州・長崎を対象に降雪率から冬季気温の復元を行った。降雪率と冬季気温の間には,R = -0.85という高い相関が認められたので,長崎に近接する諫早日記から1700年~1867年の冬季(12月~2月)の降雪率を求め,長崎地方気象台の観測データと連結して,過去320年間の長期的な冬季気温変動の実態を明らかにした。幸い,日記の記録と重複する1850年代に,オランダ人医師らによる長崎出島の気象観測記録が10数年間残されており,復元気温と観測気温の数値を比較した結果,ほぼ対応して変動していることがわかり,日記降雪率から冬季気温変動を高精度に復元できることが明らかになった。 次に,1840~1850年代前半を対象として,日本海側地域の古日記天候記録と東京の気温観測記録(霊験候簿)をもとに冬季季節風吹き出し頻度の年々変動と季節内変動について解析を行った。 さらに,長期間の再解析データを用いて、冬季の気候変動に重要なモードである北極振動について調べた。近年の極域の海氷などの現象に伴い,冬から夏への季節進行が変わりつつあることが明らかになった。また,その変化は,1990年前後の気候ジャンプのタイミングとも一致している。気候変化に重要であるが,未解明な点が多い気候ジャンプの理解につながる可能性もある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
降雪率による冬季の気温復元が高精度に行えたことと,研究成果の一部が複数の海外の学術誌に受理掲載されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 降雪率の長期変動と関連する他のプロキシー(桜の満開日,年輪解析など)との比較検討を試みる。 (2) 引き続き再解析データを利用し、冬季の年々変動を調べる。特に、冬季アジアモンスーンの季節内変動時間スケールの季節変化に着目し、その気候学的な特徴及び年々変動の特徴を調べる。寒気の吹き出しにも注目する。
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Research Products
(12 results)