2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H01407
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐川 徹 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (70613579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 栄莉 立教大学, 文学部, 准教授 (00774770)
竹沢 尚一郎 国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (10183063)
早川 真悠 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 外来研究員 (20720361)
松本 尚之 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (80361054)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 紛争 / 歴史 / 和解 / 国家 / 民族間関係 / アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現代アフリカで発生してきた紛争の歴史的背景や紛争後の歴史意識を解明した。歴史はそれを語る主体の属性に応じて多様な解釈がなされる。そのため、武力衝突が治まったとしても、紛争をめぐる記憶は人びとのその後のくらしに深刻な影響を与える。とくに、内戦は日常生活の単位となるコミュニティ内部の人間関係に亀裂をもたらすため、内戦後にはその亀裂を修復する必要が生じる。さらに、遠い過去の内戦の記憶が、今日の集団間関係や国家と民族の関係に大きな影響を与えることもある。本研究では東アフリカの南スーダンやウガンダ、エチオピア、西アフリカのマリやナイジェリア、また南部アフリカのジンバブエや、南アフリカなどを事例として、この歴史と紛争の動態的なかかわりを明らかにし、またそれを主題とした著作を出版した。この著作においては、日本社会において、アフリカの紛争はある種の「語りにくさ」をはらんでいる点にとくに注意を払った。アフリカという語は「無秩序」や「未開性」といったイメージを喚起するため、アフリカにおける暴力の悲惨さだけを語ることは、この偏向したアフリカ像を再生産してしまうおそれがある。また、アフリカにおける紛争の多くは国家間戦争ではなく内戦や国家の関与しないコミュニティ間の紛争であったため、その全体像を知ることが難しい。本研究では、これらの「語りにくさ」をのりこえるために、各紛争を適切な歴史的、政治経済的、社会文化的コンテキストに即して論じるとともに、紛争や暴力に対してアフリカの人びとが能動的に対処してきたことを明らかにすることにも力を注いだ。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)