2020 Fiscal Year Annual Research Report
Regional Reconstruction in the Marshall Islands and French Polynesia after Nuclear Tests: Adopting Ethnography of Physical Practice
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20H01410
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
桑原 牧子 金城学院大学, 文学部, 教授 (20454332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 聖乃 総合地球環境学研究所, 研究部, 研究員 (00570053)
黒崎 岳大 東海大学, スチューデントアチーブメントセンター, 講師 (60339637)
吉村 健司 東京大学, 大気海洋研究所, 特任研究員 (60788727)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 核実験 / フランス領ポリネシア / マーシャル諸島 / 地域再建 / 身体実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はフランス領ポリネシアおよびマーシャル諸島で実施された核実験の影響と地域再建の動きを考察することを目的とする研究である。それぞれの諸島での核実験の政治的・歴史的背景を押さえ、世界の核廃絶の動きといかに連動するかを俯瞰すると共に、核実験後の地域復興の動向を文化人類学的な調査でもって研究する。具体的には地域復興の只中で、あるいは準備に置かれる実験地、避難地もしくは基地となった環礁に暮らす人びとの生活のどこが変化し、どこが継続しているかを考察するために、日常生活でみられる人びとの身体実践をフィールドワークで参与観察することに軸を置く調査研究を予定していた。しかし、コロナ感染拡大によりフィールドワークの実施がフランス領ポリネシアにおいてもマーシャル諸島においても不可能になり、調査研究の大幅な変更を余儀なくされた。本研究のメンバーはいずれも既に本研究課題に直接的、間接的に関わる研究を蓄積してきており、既に収集している文献の整理と読みなおしから、上記の研究を試ることになった。 令和2年度は、オンライン研究会を4回実施し、フランス領ポリネシアの核実験担当の桑原、マーシャル諸島の核実験の中原、オセアニア島嶼部の核実験をめぐる政治担当の黒崎、核実験前後の漁業の変容担当の吉村が、各々がこれまで蓄積してきた研究を共有し、問題の所在を確認した。その上で、各自でこれまで収集した資料・データのうち、整理、分析が終えていない分の作業を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フィールドワークを中心に研究を進めるつもりであったのが、コロナ感染拡大のため、海外渡航ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、フランス領ポリネシアおよびマーシャル諸島へ渡航が可能になればフィールドワークを実施し、本研究課題の当初計画に準じて研究を遂行する。しかし、一般的に海外渡航がしやすくなっても、フランス領ポリネシアとマーシャル諸島が定める入国基準、勤務校が定める渡航基準などによって両地域への渡航が困難な状況が続き、フィールドワークができない可能性もある。そのような場合は、引き続き文献資料をもとに各地域の核実験後の地域復興の動向を考察する。同時に、オンラインで現地のインフォーマントと連絡を取り、聞き取り調査を実施する。
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