2020 Fiscal Year Annual Research Report
刑事司法と精神科医療のシームレスな連携による精神障害犯罪者処遇制度
Project/Area Number |
20H01434
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
山本 輝之 成城大学, 法学部, 教授 (00182634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柑本 美和 東海大学, 法学部, 教授 (30365689)
五十嵐 禎人 千葉大学, 社会精神保健教育研究センター, 教授 (40332374)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 刑事司法 / 精神科医療 / 医療観察法 / 精神障害犯罪者の処遇 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国では、医療観察法が制定・施行され、犯罪行為時に刑事責任能力に問題のある精神障害者については、特別な治療処分を行う制度が確立された。 しかし医療観察法による処遇対象は一部に限定されており、特に(1)責任能力に問題がなく公訴提起されない精神障害犯罪者は特別な治療の機会は与えられず(2)受刑者は、精神障害に罹患していても医療観察法による特別な治療処分が与えられる対象からは外されており、また、(3)釈放された者には、たとえ精神障害に罹患して治療が必要な場合であっても、医療観察法による「入院によらない医療」(通院医療)のようなものが課されているわけではない。すなわち、以上の(1)~(3)の者については、入院から通院までシームレスな精神科治療的援助を受ける医療観察法の対象者と比べて、与えられる処遇の差は歴然としている。 そこで本研究では、これまでの研究成果を踏まえて、こうした精神障害に罹患した犯罪者に対して、刑事司法と精神科医療のシームレスな連携による処遇を行う制度について、諸外国の法制度との比較検討をも交え研究を行い、わが国において実現可能な法的モデルを提案することを目的とする。 なお、今年度は、研究組織上のメンバーを中心に、精神医療法研究会を3回開催し、「精神障害者の行動制限について」、「医療保護入院の廃止について」、「精神保健福祉法改正案について」等のテーマについて、それぞれ話題提供者をお招きして、質疑応答を行い討論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大状況により、研究組織上のメンバーを中心とした研究会を頻繁に開催することができず、また、海外渡航ができなかったため、視察・調査を予定していたカナダの制度について、比較法的検討を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も新型コロナウイルス感染拡大状況により海外視察・調査が実施できなかった。そのため、2023年度は、カナダ・ブリティッシュ・コロンビア司法精神科病院等の視察・調査を実施し、カナダの制度について比較法的研究を実施する予定である。また、研究組織上のメンバーを中心とした、対面による研究会を頻繁に開催する予定である。
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