2020 Fiscal Year Annual Research Report
Information acquisition and recommendation systems for consumption of experiential goods
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20H01478
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石川 竜一郎 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (80345454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 守 筑波大学, システム情報系, 名誉教授 (40114061)
秋山 英三 筑波大学, システム情報系, 教授 (40317300)
花木 伸行 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (70400611)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 類似度 / 分類 / 推薦システム / 推薦意向 / 不完備情報ゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
経験財提供を考えるにあたり、サービス提供者と受容者のマッチング問題として定式化をおこなった。具体的にはサービスの受容者をいくつかのタイプに分け、そのタイプに依存する選好を持つモデルを用いた。この枠組みは標準的な不完備情報ゲームに近いが、それと異なるのは、本人自身も自分のタイプや選好がわからないことにある。ここでは、サービス提供者が想定する受容者のタイプに応じたサービス提供行うことで、受容者自身も自分のタイプを学習し、選好を形成する動学モデルを考えている。 しかし一方でこうした学習過程は制約的であり、提供者が想定する受容者のタイプに合わせてでしか、サービスは提供されないことになる。したがって受容者の経験を通じた帰納的推論も限定され、先入観を伴う選好が形成される。こうした特定の学習過程の効率性は、過去に得られた情報の相関をもちいて測られ、安定的な選好形成に到達するかを考察できる枠組みを提示した。 この受容者の類型化は、新しいサービス受容者が来訪した際に、どのサービスを提供することが新たな受容者の需要と適合するかを考えるための指標となる。実際、類型化した選好形成タイプを推奨意向調査と結びつけることで、その精度の検証も可能になる。当該年度ではこのようなサービス支援のための情報提供システム構築のための基礎的な枠組みを提示している。 一方で、よく指摘される推薦システムにおけるコールドスタート問題に関する解決策は、以前残されている。理論的には情報がない場合には、ランダムな学習過程を想定しているが、現実的ではないため、次年度以降の課題とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では、情報提供システム構築のために、経験財需要者のタイプを想定した不完備情報ゲームを構築し、学習過程を提示した。その結果、本プロジェクトの理論の根幹部分の大枠を完成させることができ、次年度に向けた準備が整ったといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
経験財需要者の類型化を用いた分析の枠組みを構築した一方、実務上に生じるコールドスタート問題など、この枠組みにおける問題点も明らかになった。次年度ではこうした問題の解決に向け、適切な状況設計か仮説の検討を行っていく。
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