2020 Fiscal Year Annual Research Report
An empirical study on the activators in organizations that contribute to effectual market creation
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20H01550
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
栗木 契 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90294397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 進 京都大学, 経営管理研究部, 特定助教 (90724047)
吉田 満梨 立命館大学, 経営学部, 准教授 (30552278)
横山 斉理 法政大学, 経営学部, 教授 (70461126)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エフェクチュエーション / マーケティング / バリューイノベーション / 市場創造 / 組織行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、企業のどのようなリソースの活用が組織内のエフェクチュエーション型の行動を活性化するかを明らかにし、市場創造型マーケティングの理解と実践に貢献することである。そのために本研究では、探索的な事例研究とその検証等を進める。本研究では、この未解明の関係に探索的な事例研究とその検証を通じて取り組み、新規市場創造に向けたエフェクチュアルな行動を必要とする企業への新たな示唆を生み出す可能をもつ。 令和2年度は文献調査を通じて理論上、方法上の課題を検討し、比較調査の枠組みを確立するとともに、比較事例調査の予備調査を開始した。 文献調査では、組織のリソースとエフェクチュエーションの関係の検討を進め、組織内でエフェクチュエーションを活性化するのは、どのような業務プロセスやインセンティブや評価などの制度、そして企業文化やデータベースなどのリソースであるかという観点から、マーケティング論をはじめとする関連諸分野の先行研究を振り返り、それらの整理と体系化を行い、比較事例調査の枠組みの検討を進めた。 比較事例調査の予備調査では、市場創造を通じて業界を変容させた企業事例を対象に調査を行い、対象事業が市場創造を果たしていくプロセスとそこで活用されるリソースの検討を行い、業務プロセスやインセンティブや評価などの制度、そして企業文化やデータベースなどのリソースの役割を検討した。 そしてその成果から、各種の学会報告や論文、書籍の公刊などを通じて研究成果の発表を行った。発表の主要テーマは以下である。エフェクチュエーションと競争戦略の補完性の検討/大学発の技術移転における起業家行動の分析/観光、食品、家電、自動車、医療機器、アパレルの事例におけるエフェクチュエーションのプロセスと活用されるリソースの検討/事例研究のビジネス問題への適用に関する方法論の検討
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、企業のどのようなリソースの活用が組織内のエフェクチュエーション型の行動を活性化するかを明らかにし、市場創造型マーケティングの理解と実践に貢献することである。令和2年度にはコロナ禍の影響を受けて研究計画を見直しながら、研究を進めた。研究目的に立ち返り、文献調査を通じて理論上、方法上の課題を検討し、比較調査の枠組みを確立するとともに、比較事例調査の予備調査を開始した。文献調査では、組織のリソースとエフェクチュエーションの関係の検討を進めた。組織内でエフェクチュエーションを活性化するのは、どのような業務プロセスやインセンティブや評価などの制度、そして企業文化やデータベースなどのリソースであるかの整理と体系化に取り組み、比較事例調査の枠組みの検討を進めた。予備調査では、市場創造を通じて業界を変容させた企業事例を対象に調査を進めた。対象事業が市場創造を果たしていくプロセスとそこで活用されるリソースの検討を行い、業務プロセスやインセンティブや評価などの制度、そして企業文化やデータベースなどのリソースの役割を検討した。基本的には当初の計画通りに研究を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、昨年度の文献調査を通じて検討した理論上、方法上の課題を、そしてそれらをもとに行った予備調査を踏まえて、比較の枠組みを確定し、比較事例調査を進める。 本研究では、組織のリソースとエフェクチュエーションの関係の検討を進め、組織内でエフェクチュエーションを活性化するのは、どのような業務プロセスやインセンティブや評価などの制度、そして企業文化やデータベースなどのリソースであるかという観点から、マーケティング論をはじめとする関連諸分野の先行研究を振り返り、それらの整理と体系化を進めている。比較事例調査では、市場創造を通じて業界を変容させた複数の大企業などを対象に、対象事業が市場創造を果たしていくプロセスにおけるエフェクチュアルな行動が生じる転換点の前後に着目しながら、複数の事業観、そして同一事業の異時点間の比較を行い、そこでの業務プロセスやインセンティブや評価などの制度、そして企業文化やデータベースなどの制度やリソースの役割を検討する。比較調査については、聞き取り調査などのフィールドリサーチを行う予定であるが、新型コロナウィルスの感染拡大の状況によっては、文献調査やオンラインインタビューなどの調査手法を活用しながら、研究を進める。
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Research Products
(19 results)