2022 Fiscal Year Annual Research Report
Identifying adaptiveness of conspicuous consumption behaviors based on simulation models of gene-culture co-evolution
Project/Area Number |
20H01555
|
Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
小松 秀徳 一般財団法人電力中央研究所, グリッドイノベーション研究本部, 主任研究員 (40462882)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
チン ユ 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00272394)
橋本 康弘 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (10376494)
田中 伸幸 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 上席研究員 (30371363)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | シグナリング / パーソナリティ特性 / マルチエージェント |
Outline of Annual Research Achievements |
完全合理性や利己性では説明が付かない人間の一見不合理な意思決定構造について、近年では進化に根ざした深い合理性が隠れているとの指摘がなされるようになった。こうした進化の観点に基づく検討の一つに、高価なものを買う消費行動を、パーソナリティ特性の指標であるBig-5(利他性、開放性、外向性、勤勉性、神経症傾向)で解釈する分析がある。例えば、高価なビジネススーツはコストがかかるが、勤勉性の高さを誇示するシグナルとして機能し、宝飾品には開放性や外向性の高さのシグナルとしての機能がある、といった解釈が成り立つ。 このような着眼に基づいて構築した「遺伝子-文化共進化」のマルチエージェントシミュレーションモデルに、経済モデルや簡易なネットワークモデルを取り込んだ場合の影響について分析し、それらの結果について人工生命研究会において発表を行った。 また、人が互いのパーソナリティの類似性をどのように判断した上で、人付き合いの相手を選択するかを明らかにするため、現実世界における対面調査を継続した。これら調査結果の分析に基づき、人は実際のパーソナリティよりも、相手からどのようなパーソナリティを持つと思われたかを、自分がどのように認知しているかに関するメタ認知の方が、付き合いを続けていきたいと思う傾向と強く関係する可能性があることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネットワークモデルと経済モデルの融合については予定通り実施したものの、現実世界における対面調査で得られた新たな知見から、エージェント同士のパーソナリティ判断の実装ロジックについては、当初想定していたものと比較して、より複雑なものが必要となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
現実世界での対面調査の結果分析に基づき、パーソナリティのメタ認知に関する新たな仕組みをエージェントに実装した最終モデルを構築し、このモデル上で介入方策の設計に資する分析を実施する。
|