2021 Fiscal Year Annual Research Report
What hinders the occupational mobility of immigrants: Structural, group, and individual conditions of Peruvian immigrants in Italy and Japan.
Project/Area Number |
20H01572
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
樋口 直人 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00314831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 奈々子 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (40302335)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 移民 / イタリア / ペルー / 社会移動 / 社会統合 / 非正規移民 / 外国字労働者 / 介護労働 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、許可が下りるかどうかわからない状況だったので、文献研究の継続、日本国内のペルー人非正規滞在者を対象とする調査を続けていた。ただし、調査対象者の感染リスクを高めるような行動は避ける必要があったため、国内調査もゆっくりとしか進展しなかった。 2022年12月から海外出張の許可が下りるようになったため、2022年12月から2023年1月、2023年2月から3月の2回イタリア調査のために出張した(1回目は稲葉、樋口双方が、2回目は樋口のみ)。1回目の調査では、レストラン経由で調査依頼を進めていったが、レストラン自体がフルオープンというわけではなく、イタリアの現地調査も対面の形だけで進めるには限界があった。 そのため、フェイスブックを通じて調査に協力してくれる人をつのるようにした。イタリアのペルー人のフェイスブックのコミュニティは10以上存在するが、そのうち登録者が多くミラノでの調査が可能な2つを通じて依頼した。この経路で20名程度には聞き取りをおこなえたが、聞き取りで来た人数より多くの人数とアポイントをとりつつも、間際になってのキャンセル、待ち合わせ場所に来ないといったことが生じた。これは調査を進めるに際して大きな障害になるため、他の方法を考える必要があった。 フェイスブック経由で聴き取り調査を行った1名が、ミラノのペルー領事館を訪問する際に応じてくれたため、書類提出の合間に状況をみることができた。領事館には多くの人が平日訪問し、書類の受理や処理の順番待ちの間は時間があるため、比較的簡単に応じてくれる。そのため、それ以降は領事館前で調査を行うこととした。 結局2021年度は調査体制を整えるところで終わってしまったが、2022年度の報告でみるように、非常に効果的な方法を見つけられたため、その後の調査がきわめてスムーズに進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1年半以上調査に行くことができなかったため、予定の半分の期間で調査を行う必要がある。また、イタリアの移民に関する文献は多いが、ペルー人に関する文献は必ずしも多くない。実際にミラノで調査してみて、文献に書かれていることと実態には一定の乖離があることがわかったため、文献であたりをつけることが難しい。
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Strategy for Future Research Activity |
領事館前で調査という効果的な方法にたどりついたため、それによりできる限り多くのペルー移民に話を聞くこととする。
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