2020 Fiscal Year Annual Research Report
都市「社会問題空間」の布置構造とその変容に関する研究
Project/Area Number |
20H01579
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
島 和博 大阪市立大学, 人権問題研究センター, 特任研究員A (50235602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 道彦 大阪市立大学, 人権問題研究センター, 名誉教授 (00116170)
古久保 さくら 大阪市立大学, 人権問題研究センター, 准教授 (20291990)
廣岡 浄進 大阪市立大学, 人権問題研究センター, 准教授 (30548350)
櫻田 和也 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (70555325)
鄭 栄鎭 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 特任講師 (70748227)
齋藤 直子 大阪市立大学, 人権問題研究センター, 特任准教授 (90599284)
桜井 啓太 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (90751339)
妻木 進吾 龍谷大学, 経営学部, 准教授 (60514883)
佐々木 洋子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70647833)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会問題空間 / 小地域統計 / 社会地図 / 都市の被差別空間 / 官庁統計データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、都市における社会的諸問題の「複合的」な「集積」および「拡散」を地図化することを通じて、「社会問題空間」の存在形態とその空間的な広がり、そしてそこで生きる人びとの生活上の困難の実態を、都市の階層構造という視点から明らかにすることをめざしているが、この間の研究によって、研究枠組みと研究方針は具体的なレベルで確定できた。 またメンバーによる定期的な研究会を通じて、社会問題論、都市論、部落問題論そして空間統計学等の今後の研究遂行において必要となる関連諸領域での理論的な研究も進捗し、被差別/格差/不平等/外国籍および結婚差別、生活保護、都市再生をめぐる諸問題について報告した。基本的な統計データや関係資料の収集と整理は終了し、現在はその分析に取り掛かっている。 さらに「社会問題空間」という視点から同和地区の現状を明らかにすることが主要な研究課題のひとつであるが、これについては同和対策事業の歴史的展開をふまえて複数の地区における関係者への聞き取りを実施し、地域資料の収集と整理を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で当初計画していた現地での関係者や関係諸機関への書き取りとフィールドワークがかなり遅れているため。また計画していた総務省統計図書館等での実地調査も若干遅れている。さらに研究方針を一部変更・拡充して、同和地区における同和対策事業の歴史的な展開過程とその「成果」の検証を新たな研究課題として追加した。現在関係資(史)料やその他ドキュメントの収集を行っているが、これにはもう少し時間を要する見通しである。 このため、さしあたりは大阪府の「社会問題マップ」と「階層マップ」作成の作業を優先することとした。ただし、この作業は、たとえば大阪市だけを見ても22000ほどに分割された小地域(基本単位区)についてのさまざまの社会問題や地域の階層構造に関するデータをマッピングするといった作業であり、作業量は膨大であり、また多大のコンピュータ・リソースが必要となる。そのためこの作業を実行するための専用のワークステーションを購入し、セキュリティー確保と共同作業のための環境を構築した。現在、マップ作製の具体的な作業に取り掛かったところである。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは都市の「社会問題マップ」と「階層マップ」を完成させる予定である。さらには同和地域における同和対策事業の歴史的展開過程を研究するために、関係者への聞き取りや関係資(史)料の収集を進める。いくつかの同和地区におけるフィールドワークも予定している。
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Research Products
(10 results)