2022 Fiscal Year Annual Research Report
原子力災害にともなう被災者の生活再建に関する調査研究
Project/Area Number |
20H01604
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
丹波 史紀 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70353068)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 原子力災害 / 被災者の生活再建 / 災害ケースマネジメント / 複線型復興 / 東日本大震災 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、第3回双葉郡住民実態調査の集計・分析を継続してすすめると共に、その報告書を作成した。併せて、調査結果の概要をメディア等にプレスリリースし、その結果が報じられた。必要に応じ、同調査結果について、各種の研究会やシンポジウム等で発表し、その成果公開に努めた。特に、第3回双葉郡住民実態調査では、2017年12月に実施した前回の第2回双葉郡住民実態調査の調査結果と同様、生産年齢人口の約2~3割が無職にあり、精神的健康度も改善傾向にあるものの、その結果は全国平均に比べ、低いことを明らかにした。一方で、震災から10年以上経過したために、元の住居を半分以上の者が取り壊し、避難先での住宅購入をするものが多数を占める状況にあることも明らかにした。 さらに、災害ケースマネジメントに関わる支援スキームを構築するため、福島県において原子力発電所事故の避難所運営に関わり、その後避難者支援の研修スキームを構築した天野和彦氏を招聘し、ワークショップを開催した。また、高知大学の大槻知史氏から高知県の防災活動についての専門的知識の提供を受けた。研究会などを継続し、大規模災害時における災害ケースマネジメントを含む被災者支援のスキーム作成の研究に取り組んだ。 なお、第3回双葉郡住民実態調査をあわせ、これまで行ってきた原子力災害にかかわる調査研究の成果を出版物(丹波史紀『原子力災害からの複線型復興』明石書店、2023年)として公刊した。また詳細な調査結果については、東京大学情報学環紀要において、調査チームの共同研究者と共著で調査報告を公開した。 本研究を通じ、災害時の被災者の生活再建の構成要素を析出するとともに、その再建は単線型ではなく複線型として、多様な被災者の生活再建の道筋を保証する支援体制の構築が求められることを示した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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