2021 Fiscal Year Annual Research Report
地域を基盤とした「ヤングケアラーの発見・支援モデル」の検討
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20H01606
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
宮川 淑恵 (濱島淑恵) 大阪歯科大学, 医療保健学部, 教授 (30321269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 雅充 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (40389010)
南 多恵子 京都光華女子大学, 健康科学部, 准教授 (10455040)
尾形 祐己 大阪歯科大学, 医療保健学部, 助教 (30826657)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヤングケアラー / 家族介護 / 高校生 / 中学生 / 質問紙調査 / ピアサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
第1に、2021年度に大阪市で実施した中学生を対象とした調査結果を報告書としてまとめた。ヤングケアラーの存在割合が約9%であったこと、ケアの相手は、祖母、年下のきょうだい、母親などが多く、ほぼ毎日ケアをしているが、短時間の者が多い一方で、学校がない日はケア時間た長時間化する傾向があること等を示した。また欲しい支援としては、勉強のサポート、家事のサポート、経済的な支援に加え、寄り添い支援、ピアサポートの必要性を指摘した。 第2に、複数の自治体においてヤングケアラーに関する実態調査を実施した結果を踏まえ、ヤングケアラーの現状と支援について検討した。例えば、尼崎市での小中学生への調査では、中学生の方が小学生よりも弟・妹の割合は低く、母、父、祖父母の割合が高く、年齢による違いがあること等、子どもがケアを担いやすい要因について考察した。また、大阪府の居宅介護支援事業所、相談支援事業所等を対象とした調査では、高齢領域、障がい領域ともに、ヤングケアラーという言葉の認知度は高いが、ヤングケアラーのケースは「いない」と回答した者が高齢領域の方が障がい領域よりも高い割合で存在すること等が示された。 第3に、上記の調査結果を踏まえながら、これまでに実施した大阪府、埼玉県での高校生を対象とした質問紙調査の結果の分析を進め、子どもがケアを担う背景について検討した。その結果、母親がケアを要する状態にあること、祖父母との同居、経済的な余裕のなさ(アルバイトをして家計を助けている)等の条件下にある時、子どもがケアを担いやすいことを示した(2023年6月発行の社会福祉学会誌に掲載予定)。 第4に、地域を基盤としたヤングケアラー支援実践として、尼崎市でレスパイト事業を行い、主催者へ事業のポイントと効果、課題について聞き取りを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
イギリスへの訪問調査を予定してたが、国内でのヤングケアラー支援に関する動きが活発になり、その動向を把握する必要が生じた。そのためイギリスへの調査よりも先に国内の調査を実施しなければならなかっため。
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Strategy for Future Research Activity |
第1に、国内のヤングケアラー支援の取り組み状況を把握するため訪問調査を進め、日本におけるヤングケアラー支援の現状と課題を整理する。 第2に、上記の訪問調査結果を踏まえ、イギリスで訪問調査を実施し、イギリスでの取り組みの現状と課題を把握するとともに、日本におけるヤングケアラー支援の方向性、抱える課題の解決方法を検討する。 第3に、地域と基盤とするヤングケアラー支援実践活動の意義、効果を昨年度実施したアンケート結果、また今年度実施するインタビュー調査を通して整理する。 第4に、大阪市中学生調査の結果について詳細な分析を進め、どのような条件下において、ケア負担が大きくなる、生活困難が生じやすいかを検討する。
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Research Products
(1 results)