2021 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国の幼児教育における「遊びを通した学び」への転換過程とその効果の縦断研究
Project/Area Number |
20H01658
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三輪 千明 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 准教授 (00345852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜野 隆 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (00262288)
垂見 裕子 武蔵大学, 社会学部, 教授 (10530769)
谷口 京子 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 准教授 (10773012)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 就学前教育 / 遊び / モンゴル / ミャンマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は途上国の幼児教育における教師主導から「遊びを通した学び」への転換過程とその効果について、モンゴルとミャンマーでの縦断研究から明らかにすることを目的としている。具体的には、1.途上国における「遊びを通した学び」導入の経緯と目的は何か、2.途上国における「遊びを通した学び」への転換はどのような過程を経て進むのか、3.途上国における「遊びを通した学び」は幼児の発達促進にどのような効果をもたらすのか、という三つの研究設問の答えを探るものである。2020年度および2021年度は新型コロナウィルス感染症拡大に伴う渡航・入国制限により、研究代表者らの渡航が叶わず、また調査対象国においても国内移動に大きな制約が生じた。そのため、2021年度は研究設問1に焦点を当て、モンゴル人研究協力者の支援を得て、国家カリキュラム策定者らとのオンラインによるインタビューを実施した。その後、データの分析を行い、学会発表を行った。ミャンマーではコロナ禍に加え、2021年2月1日のクーデター以降、政情不安が続き、現地関係者とのコンタクトが極めて困難であった。そのため、研究設問1については代替的にミャンマー人研究協力者が保有していた教員インタビューと保育観察データをもとに「遊びを通した学び」の観点から共同で分析し、その結果を論文にまとめた。また、ミャンマーの幼児教育・保育政策について乳幼児の包括的発達促進の観点から分析し、学会発表を行った。研究設問2と3については研究代表者らによる現地調査が必須となるため、今後、調査が可能になると思われるモンゴルに焦点を当て、モンゴル人研究協力者とのオンライン打合せを定期的に実施した。その中で調査対象地域や幼稚園サンプルの選定や概要データの収集、および最新カリキュラムに沿った幼児発達検査ツールの適応を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度および2021年度は新型コロナウィルス感染症拡大に伴う渡航・入国制限により、研究代表者らの渡航が叶わず、また、調査対象国の国内移動にも大きな制約が生じた。加えて、ミャンマーでは2021年2月1日にクーデターが発生し、現在も政情不安な状況が続いている。そのような中でも研究題目1は現地研究協力者の協力を得て、ある程度進めることができた。他方で、研究課題2と3は調査ツールの開発等、現地調査に向けた準備を進められたものの、2021年度も渡航の見通しが立たなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の政情が不透明なミャンマーに代わり、カンボジアを新たな調査対象国とすることを検討する。また、2020年度と同様、2021年度も渡航による現地調査が実現しなかった。そのため、2021年度に繰り越されていた2020年度交付金は2022年度に再繰越するとともに、2021年度交付金も2022年度への繰越金とし、研究課題2と3について2022年度に現地調査を実施予定とする。
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Research Products
(9 results)