2021 Fiscal Year Annual Research Report
Aiming for Art-Based Humanity: Fundamental Research for Art Writing Education
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20H01669
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
直江 俊雄 筑波大学, 芸術系, 教授 (10272212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 浩子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70379022)
吉田 奈穂子 筑波大学, 芸術系, 助教 (80844711)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アートライティング教育 / アートベースドヒューマニティ / 芸術教育 / 日本語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画のうち、〔トピック1:制作体験(表現)〕とライティング〔トピック2:作品探究(鑑賞)とライティング〕は、高校生の執筆した美術に関するエッセイについて事例を整理し、言語学的分析との連携を目指しながら進めている。 〔トピック3:国内外の学校におけるアートライティング教育の普及と課題〕は学校での実態調査であるが、①国内約1000校の高等学校を対象とするアンケート調査は、コロナ禍による学校状況に対応して時期を延長しながら2021年の夏までに実施することができ、結果を整理・分析中である。②コンテスト参加校から調査協力校を選定して行う実地調査については、感染状況が改善するまで実施を保留としている。〔トピック4:アートライティングのテキスト分析〕については、高校生アートライター大賞に応募されたエッセイについて、使用された言葉の形態素解析によって、受賞作品と非受賞作品を比較し、いくつかの特徴を導き出すことができた。 〔アウトリーチ活動〕では、①日本語によるアートエッセイのコンテストを継続開催し、4か国から531編の日本語エッセイの応募があった。アートライティング教育の取り組みを支援するとともに、活動を通して新たな資料収集を行った。また②大学におけるアートライティング教育の実践については、国際芸術祭と学校教育をオンラインで結ぶなど、コロナ禍における新たな教育実践を試み、成果を冊子にまとめて公表した。③附属高等学校における教育方法開発については、国語と美術の授業を連携させた実践報告をまとめている。2021年6月に開催したオンライン研究会「アートライティング教育の新展開」には12か国70名の参加申し込みがあり、本課題の概要とそれまでの成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
〔トピック3:国内外の学校におけるアートライティング教育の普及と課題〕においては、コロナ禍における休校期間やオンライン授業期間、外部訪問者の受け入れ禁止などの影響を受け、日本の学校におけるアンケート調査は半年から1年程度遅れながら進めている。また、学校訪問による調査は開始できておらず、今後の状況を見ながら、適切な調査方法を探っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を遂行するために、4つのトピックとアウトリーチ活動を連携させて進める。 〔トピック1〕 制作体験(表現)とライティング:学習者が作品を作った経験をもとに書いた文章を対象とし、アートライティングには学習者の芸術や社会に関する認識の発達が表れており、その解明は指導法開発の基礎とすることができるとする仮説について、具体的な事例をもとに体系的に分析をすすめる。 〔トピック2〕作品探究(鑑賞)とライティング:アーティストの作った作品を学習者が鑑賞して書いた文章を対象とし、アートライティングには学習者の芸術や文化に対する認識が反映されており、国際比較・国内比較によってその特質を明らかにできるとする仮説について、具体的な事例をもとに体系的に分析をすすめる。 〔トピック3〕海外の学校におけるアートライティング教育の普及と課題:①オンラインにより、海外の高等学校を対象にアンケート調査を行い、日本国内の結果との比較を行う。②調査協力校における実地調査は、状況に応じて計画を見直す。 〔トピック4〕アートライティングのテキスト分析:応募作品のテキストデータを、形態素解析ソフトにより分析する対象をさらに広げるとともに、その結果をトピック1ならびにトピック2の研究過程と関わらせて考察する可能性を探究する。 〔アウトリーチ活動〕2022年度は英語によるエッセイのコンテストを開催し、各国におけるアートライティング教育の取り組みを支援するとともに、研究資料を収集する。また、大学におけるアートライティング教育を実践するとともに、附属学校等における教育方法開発を進める。 ただし、〔トピック3〕と〔アウトリーチ活動〕における学校と連携した調査や教育方法開発の活動においては、新型コロナウィルス感染症対策を行っている地域や学校の状況を踏まえ、時期や方法等について柔軟に計画を見直しながら進める。
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Research Products
(13 results)