2020 Fiscal Year Annual Research Report
自閉スペクトラム症の自己選択の実現-「好み」の評価と拡大支援プログラムの開発-
Project/Area Number |
20H01704
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野呂 文行 筑波大学, 人間系, 教授 (30272149)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 甲介 長崎大学, 教育学部, 准教授 (10610248)
高浜 浩二 作新学院大学, 人間文化学部, 教授 (40616299)
登藤 直弥 筑波大学, 人間系, 助教 (70773711)
佐々木 銀河 筑波大学, 人間系, 准教授 (80768945)
丹治 敬之 岡山大学, 教育学研究科, 講師 (90727009)
半田 健 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (90756008)
松田 壮一郎 筑波大学, 人間系, 助教 (90762675)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 自閉スペクトラム症 / 応用行動分析 / 好み |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度の研究では、自閉スペクトラム症の幼児に対して、「好み」の評定を実施し、各対象幼児のプロフィールとの関係を分析することを計画していた(臨床研究)。しかしながら、新型コロナの感染拡大に伴い、各研究者の所属機関での臨床活動が制限された結果、データの収集は一部の対象幼児のみとなった。臨床研究としては、自閉スペクトラム症を対象とした研究に加えて、特別支援学校教員あるいは特別支援学級教員に対して、自閉スペクトラム症児童に対する「好み」の評定の研修プログラムに関する検討も行った。令和2年度の実績としては、評定のための標準的手続きを先行研究に基づいて設定し、研修用の映像資料の作成を行った、臨床研究が制限される中で、令和2年度は文献研究としては、「好み」の評定において、社会的刺激の扱いに関するエビデンスをシステマティック・レビューの手法を用いて整理することを目的としていた。自閉スペクトラム症は具体物(食べ物やおもちゃ)と比較すると、社会的刺激(大人の関わり等)に対する好みが不明確で把握することが困難である。令和2年度は、対象となる論文の選定を行うことができた。また調査研究に関しては、特別支援学校教員を対象に「好み」の評定に関する実態調査を予定している。令和2年度は、令和3年度における本格的な調査実施に備えて、同様の調査を実施している米国での複数の先行研究を参照しながら、参加する研究者の臨床経験に基づく判断等を加味しながら調査項目の選定を終えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度においては、臨床研究として、研究代表者ならびに研究分担者の所属研究機関において、自閉スペクトラム症幼児を対象に「好み」の評定とプロフィールデータを収集する計画であった。しかし、新型コロナの感染状況の拡大により、関連する教育相談機関のほぼすべてが活動休止になるなど、臨床研究に関しては計画通りの進捗とはならなかった。一方で、新たに計画した文献研究ならびに調査研究に関しては、次年度の本格実施に向けての準備作業が計画通りに進行した。
|
Strategy for Future Research Activity |
臨床研究に関しては、新型コロナの感染状況を見ながら、研究分担者の所属機関の状況に合わせて、柔軟に計画を修正しながら、引き続きデータ収集を実施していく予定である。文献研究としては、自閉スペクトラム症の障害特性を踏まえて、好みの評定における社会的刺激への反応性について、先行研究を整理する。令和3年度中には、先行研究の選定を終え、分析を進める予定である。調査研究としては、すでに調査項目の選定を終えたので、令和3年度においては、予備調査・本調査を実施予定である。
|