2021 Fiscal Year Annual Research Report
接客訓練のためのシナリオベースVR環境の構築と評価
Project/Area Number |
20H01715
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
星野 准一 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40313556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西崎 博光 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40362082)
宇津呂 武仁 筑波大学, システム情報系, 教授 (90263433)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 接客訓練システム |
Outline of Annual Research Achievements |
1)接客セミナーでの内容や講師からの意見も参考に,「問題確認」「謝罪」「問題解決」「言葉遣い」「対処知識」「姿勢(身体的)」を接客の基本スキルとして選択した.シナリオ内のクレーム事例については,実業務状況に近づけるため,航空会社の規定や事例を参考に作成した.フェーズごとに訓練するスキルを設定しているためシナリオに分岐は無く,顧客(顧客キャラクタ)の3回とグランドスタッフ(ユーザ)の4回の発話フェーズから構成される.また顧客キャラクタの機能として,シナリオが進行し問題が解決するに伴って顧客の表情が変化する. 2)接客訓練の効果を検証するために評価実験を実施した.実験では,簡単な接客知識に関する説明を受けた後に,対人ロールプレイと提案システムを用いたクレーム応対の訓練を行なった.今回は顧客キャラクタとの接客訓練によって対人における接客能力が向上することを示すためこのような実験設計とした.実験参加者は,9名の大学および大学院生であった. 3)すべての実験参加者のシステム体験後の対人ロールプレイ終了後,実験関係者とは異なる4人の評価者が撮影した映像を見て,5件法のアンケートを用いて評価を行なった.一般の顧客が受ける印象を重視し,評価者は専門家などではなく一般の人とした.4人の評価者は映像が訓練中のどの段階のものであるかは知らないものとした.また,評価者が視聴する映像の順はランダムとした.この結果,訓練システムを繰り返し使用することによって,適切なお辞儀や対処知識といったクレーム応対スキルの向上と 第3者から見た応対の印象の向上が見られた.また,それらの訓練効果は対人においても同様に発揮されることがわかった.これらの結果から,本システムがクレーム応対訓練システムとして一定の有効性があると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
接客訓練において,「問題確認」「謝罪」「問題解決」「言葉遣い」「対処知識」「姿勢(身体的)」などのスキルを抽出するとともに,訓練シナリオにこれらの要素を組み込んだ応対を実現した.システムによる訓練と,人間同士のロールプレイの比較により,接客訓練の効果を検証することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
1)これまでにフィラー(言い淀み)と敬語などの話し方の訓練を,個別に行うことができるシステムを実現してきたが,フィラーのみの検出だと,話す量を減らすという点数の上げ方がありえる.そのため,対応内容とフィラー(言い淀み),敬語などの,話す内容と話し方の両方を考慮に入れた訓練システムを実現する.評価実験により訓練効果を示す. 2)混雑時には様々な接客タスクが同時に発生するため,対応順序を間違ったり,依頼を忘れる,時間がかかる,失礼な印象を与えるなど,対応の信頼性が低下することが多い.そのためサービス現場を模擬した高品質VR環境において,複数の顧客AIアクターと音声・ジェスチャーなどによるマルチモーダル対話を可能にすることで対人接客をトレーニングすることができる訓練支援AIシステムを実現する.
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Research Products
(3 results)